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「アラビアのロレンス」1962年 英 監督 デヴィッド・リーン 主演 ピーター・オトゥール

 BSで観た。インターミッションをはさんで4時間の大作である。おかげで午後の時間が丸々つぶれてしまった。最近映画ばかり見て何もできていない。このへんで映画は一時中断する。
 昔テレビで二回くらい見ているが、こんなに長くはなかったと思う。今回は完全版だ。砂漠の場面が延々と続く。砂漠の美しさに息をのむ。砂漠の美を堪能させるための映画でもあろう。
 その砂漠をベドウィンの戦士たちを乗せたラクダの隊列が何日もかけて進んでいく。戦争を賛美しちゃいけないが、やはりそれが男心を高揚させるのは否めない。
 アカバを陥落させるまでが前半の2時間である。そこにいたる死の砂漠の状景が特に長い。これは物語の序盤にすぎないように記憶していたが、序盤どころか前半分だ。そしてここまでが最も高揚するところである。
 後半になってくると、物語全体に暗い影が差してきて、むしろロレンスの内面描写が目立つようになってくる。
 ヨーロッパの側から見たアラビアであり、アラブ人の側から見れば、全然事実と違うということにもなるだろうと思うが、それなりに一応はそこで起こったことが何であったのかを、観客に想像させることはできている。そういう政治面の興味もある。
 しかしこの映画で何よりも関心を引かれるのは、やはりロレンスという男の描き方である。
 中野好夫の岩波新書は昔たぶん読んだ。あまり記憶がない。映画以上のことは書いてなかったような気がする。コリン・ウィルソンの「アウトサイダー」ではロレンスは主役の一人だった。そこでは「知恵の七柱」などのロレンスの著書に触れながら彼の生涯を分析していた。それら以上にはロレンスについて読んだことがなく、とくに本人の書いたものを読んでいないので、実像にせまることはできない。
 だがもちろん映画が示したとおり、わかりにくい人物だったのだろう。
 その内面は屈折している。弱弱しく感じやすい心と、傲慢さとが共存している。誰に対しても馴れ馴れしいが、本当の心は孤独だ。自信家で自己顕示欲が強いが、一方折れやすい心の持ち主であり、折れてしまうとどん底に沈んでしまう。
 しかしその本質にはあくまでもピュアなものがあるように見える。
 こういう人物が、ある状況の中で英雄になってしまう。本人も半ばはそれを望み、半ばはそこから逃げ出したいと思っている。
 それが実際にロレンスその人だったかどうかはわからない。だが監督はそのような人間を創り出そうとした。そしてオトゥールという俳優はみごとにその役を演じたと言えるだろう。
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