FC2ブログ

プロフィール

まがねとおる

Author:まがねとおる
無名人
新潟の同姓同名はまったくの他人
以上

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

FC2カウンター

カテゴリ

リンク

RSS

町内会とサヨク

 Uという人がいる。ITエンジニアである。大手電機会社を定年後、IT技術を提供する会社を数人の仲間と立ち上げた。借金はしないが、利潤は度外視してもよいという会社らしい。
 一方で理論家である。情報社会になり、経済構造、産業構造に大きな変化が訪れる中で、物質的、非物質的の双方を網羅するような生産と労働の概念の理論化を試みようとしている。そのペーパーをいただいて、じつはまだ読んでいる途中だが、その限りで一部疑問を持つところもあるとはいえ、いままで考えたことのない分野で、たいへん興味をひかれている。読み終わってある程度咀嚼できれば感想を書くつもりだが、きょうはその話ではない。
 この人は居住地の自治会長なのである。その町の全戸数五百数十のうち四百数十戸が加盟する町内会である。しかも近隣の数ケ町の自治体と連合組織を構成し、その活動にも参加している。我が家の属する町内会が百二十戸であるから、それから見てたいへん大規模な組織である。
 その人が次のように言っている。
<自治会など地域自治組織にサヨクの方が寄り付きません。市民運動家とも距離があります。今はこの距離を縮めることに興味があります。
 活動家からは「自治会=体制側、あるいは体制の下請け」と認識されているのでしょうか。でも自治組織は日本の民主主義の基底をなす土壌だと思って一人シコシコやってます!!
 無駄な努力かもしれませんが……
 無駄には慣れているので……。>
 町内会には批判も多い。先ごろ朝日新聞が大々的に取り上げていた。たとえば町内会費から自動的に寄付金が差し引かれるという寄付の趣旨に反することが行われ、それに反対するものは入会を断られるといったことに代表されるような、全体主義的な体質についてだ。
 そもそも町内会は戦前の隣組であり、それは天皇制ファシズムの有効な道具であった。あるいは「社会主義国」で網の目のように張り巡らされた共産党細胞が有効な支配の道具であったように。
 だが、だから近づかないというのは違うのではないか。それが全体主義の有効な道具であるのなら、そうでないようにしなければならないだろう。その上、それは有効な何かなのだから、有効な民主主義の組織に変えることもできる。
 実際にわが町で一年間副会長をやってみて、いまの人たちはみなそれぞれに民主主義の訓練を受けてきていると感じる。ただ民主主義というのは実際にやってみると口で言うほどやさしくない。人々の考え方、感じ方、価値観はみな違う。何は多数決で決めるべきか、何はそうしてはならないか、しかも生活は時間に追われている、その中で暫定的な解答と、将来的な課題とを整理していかねばならない。
 町内会、自治会というのは民主主義の学校である。そうであってこそ、それが天皇制ファシズムや、(こういう言い方が許されるなら)「社会主義ファシズム」への有効な抵抗力でありうるだろう。
 もちろん実際にどこまでできるかはわからない。でもやろうとしてみるということは大事なことだ。

 そこでもうひとつの話。いまの話と関連しているようでもあれば、少しずれているようでもある話だが。
 内田樹と白井聡の対談本をこれまた読みかけている。けっこう高い本だったが、そのわりに二人の大学教師の雑談ぽくって、教師経験から若者論やら、あるいは老人論とかやるのだが、ちゃんとした統計調査の裏付けがなく、学者にしてはいい加減だなという感じで、そのぶん読みやすく面白いのだが、眉唾な本でもある。これも読み終えたら感想を書くかもしれない。
 その中で共産党に関する発言が注意を引いた。

白井:左派、リベラル勢力について考えると、彼らが力を合わせられない原因、ネックになっているのはいつも共産党問題なんですね。なぜ「左翼といえば共産党と非共産党の対立」という状況に、常になってしまうのか。本当に飽き飽きする話ですけれども。私の知る限り、共産党と非共産党では、議員レベルでも支持団体レベルでもお互いの交流もきわめて限られているんです。この間の社会運動の盛り上がりを通じて、ようやくこのディスコミュニケーションが解消されつつある気配も少しはありますが。内田さんが若い頃に政治活動をされていた時代はいかがでしたか。
内田:共産党は独特の政治文化を持っていますよね。僕は反代々木系の学生運動にかかわっていましたけれど、仲のよかった民青の学生もいました。でも、やっぱり上から「ウチダみたいなやつと付き合うな」と言われて遠のいた。……
 …………
白井:僕が共産党の人たちに言いたいのは、もっと党外の人と一緒に飯を食ったり、酒を飲みにいったりしたらどうですか、ということですね。

 内田も白井も彼らが共産党に親近感を持つようになったのは、具体的な党員個人と親しくなったからだと言っている。どんな運動もそこからしか始まらないだろうと。
 この年寄りと若者と二人の教師の発言も、U氏の生きる姿勢とどこかで噛み合っているように思える。
関連記事
トラックバック
トラックバック送信先 :
コメント
▼このエントリーにコメントを残す