プロフィール

まがねとおる

Author:まがねとおる
FC2ブログへようこそ!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

FC2カウンター

カテゴリ

リンク

RSS

福山ばら祭とヨーヨーのNaoto(その1)

 今年はNaotoのショーを二回見てしまった。
 福山ばら祭である。毎年5月の連休の次の週の土日に開催される。バラの満開に合わせるのでそうなる。観光資源の乏しい福山にとっては最大のお祭りである。今年は2日間で延べ80万人が来た。
 祭りの範囲が広い。福山駅から天満屋前、元町通り、宮通り、久松通り、国道2号線を渡って、霞町から中央公園へ、そこから少し歩いてバラ公園、農協、緑町公園へと続く。もちろんその間を臨時バスが頻繁につないでいるが、歩いている人も多い。緑町公園のメーンステージが祭りの中心で、今年はAKB48のチーム8が来た。
 でも、ぼくのお目当ては大道芸のほうで、これはおもに天満屋から中央公園の間のいたるところの街角で演じられる。70組の大道芸人が来た。福山ばら祭の客が大道芸に馴染んでいて、反応がよく、金を出し惜しみしないので、芸人のほうも喜んで来る。西日本最大のフェスティバルである。
 もちろん70組の中にはたいしたことのないのもいるが、ほとんどは見てがっかりしない。見事だし、ハラハラさせるし、びっくりするし、そしてユーモラスだ。少し歩くとすぐ次の芸をやっているので、また立ちどまって見てしまう。芸人のほうはちょっと図々しくなって、できたら丸いのよりも四角いのを下さいなどと言うが、千円札を入れていたらきりがない。なにしろ70組もいるのだ。ぼくは毎年百円玉だけをたくさん用意していく。妻はときどき200円入れてやったり、500円玉をやったりしている。
 どの芸もすばらしいが、Naotoはきわだっている。それはもう芸というよりも芸術である。ヨーヨーの腕前はもちろんピカイチなのだが、それ以上にその動きが美しいのだ。他の芸人たちは口許にマイクを取り付けてしゃべりながら芸をするが、Naotoはしゃべらない。音楽に合わせて15分間ひたすら演じる。その動きが音楽にぴたりと合っている。もはやダンスである。フィギュアスケートを見るような感じだ。
 はじめてNaotoを見たのはたぶん2011年だ。福山へ来て一年半経っていた。東日本大震災の直後だっただろう。天満屋前だった。大道芸というものをほとんど見たことがなく、エッフェル塔のあたりで身体じゅう白塗りした生身の人間が彫刻のふりをして立っているのを見かけたり、パリからベルサイユへ向かう電車だったか、車内で楽器を演奏したあとで帽子がまわってきたりしたくらいの経験しかなかった。
 福山駅方面から横断歩道を渡ったところの、天満屋前の少し広くなった歩道のコーナー箇所で、小柄な若い男が、歩道上に何かしるしを置いていって、手招きした。歩道をふさいでしまうと天満屋さんに迷惑なので、できるだけ近寄って通路を空けておいて下さいというのだ。その青年の歩き方にたちまち引き寄せられた。実に軽快な、体重を感じさせない歩き方である。身体がひとりでに移動していく感じ。
 ぼくは芝居のことは何も知らないが、むかし演劇学校に通っていた友人が、芝居の基本は歩き方なのだと言うのを聞いた。普通に歩くと普通に歩いているように見えない。自然に歩くと自然に歩いているように見えない。普通に自然に歩いているように見えるためには、それなりの歩き方がある。
 いま目の前を歩いている青年の歩き方がまさにそれだった。とても自然な歩き方に見える。そう見えるように演技しているのだ。やがて音楽をかけヨーヨーの演技が始まったが、その最初のときからすでに、それは単なるヨーヨーではなかった。
 たまたまぼくの見た最初の大道芸がNaotoだった。その年からぼくはばら祭と、とりわけその大道芸を毎年楽しみにするようになった。
 12年には妻も福山に来たので、一緒に出かけた。最初の大道芸人に、妻は千円札を入れてやった。実を言うとその前年ぼくもNaotoの芸に千円札を入れていたが、その時の体験から、そういうことをするときりがないよと前もって忠告していた。それでも最初の芸人に感動した妻は入れずにおれなかったのだ。
 ばら祭や大道芸のスケジュールにまだ無知だったが、たまたま日曜日のやや遅い時刻に中央公園で始まった大道芸グランプリを見ることになって、そこへ再びNaotoが登場した。この年Naotoは優勝をかっさらった。
 13年は雨降りだった。それでも息子一家をともなって、JFE駐車場から無料バスで緑町公園に行った。ちょうどパレードが始まったところで、その年はミッキーマウスとミニーマウスが来て、車上を踊りながら移動していく。小さい子を連れていたので、それを見れたのはちょうどよかった。公園には人が大勢いたが、なにしろ雨で、小さな子を二人連れてうろうろする気になれない。福山美術館でウルトラマンの展示をやっていたので、バスでそちらにまわり、それだけ見て帰ってきた。
 14年には娘夫婦を連れて、大道芸目当てで行った。しっかり歩いて、いくつも見て、彼らもたいへん楽しんだ。ところがNaotoがいない。その年はヨーロッパ巡業中で、帰ってこられなかったということだった。
 15年は、姪の結婚式でばら祭りの前後数日間東京にいて、見ることが出来なかった。だから今年久しぶりに見たのである。
 土曜日、出がけに急いでネット検索してその日のスケジュールだけ印刷した。中央公園南で14時45分からNaotoというのを、道すがら確認した。イトーヨーカドーに駐車する。本当はいけないのだが、みんなそうする。そこから緑町公園までぞろぞろ列をなして歩く。途中ひまわり薬局の前でうちわをもらう。毎年くれる。暑いからこれは重宝する。
 バラ公園に着くと早速人だかりがしているので行ってみる。今年最初の大道芸だ。大道芸人ひろとがトーチ5本に点火してジャグリングをやっている。これは松竹所属の芸人だ。四角いのが欲しいとしきりに言うが百円ずつで我慢してもらう。
 ちょうど12時である。道路を渡って農協の敷地に入り、小ステージで子供たちのダンスを見ながら、焼きそばと生ビールをやる。これでいっぺんに祭らしくなる。ここは飲物も食べ物も安くてうまい。飲み食いはここに限る。
 緑町公園に入っていくと、JFEの出店があって、その先が福島県人会である。ここに我が家の筋向いの人がいるので、ここで何か買う。今年はおちょこと酒を買った。おかげでその重い荷物をずっと担いで歩くことになった。
 公園のバラを見たら、メーンステージや出店のほうへは行かないでUターンする。バラ公園の中を通って北に抜ける。翌日パレードのある通りを歩いて中央公園に達する。ここまでの経路はちょっと距離がある。Naotoのショーは14時45分からなのでまだ早い。
関連記事
トラックバック
トラックバック送信先 :
コメント
▼このエントリーにコメントを残す