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作品集と過去作について

 最近、芥川龍之介は「トロッコ」が最高傑作のような気もし始めているのだが、ただ「トロッコ」は最後に要らない大人が登場して、これは自分の少年時代の思い出だ、などと発言して台無しにしてしまった。これさえ書かなければ名作だったのにと、他人事ながら口惜しい。
 ところが自分の過去作を読み直すと、けっこうそういう余分な付けたりが多い。これがなければ余韻が残るのに、これを書いたばかりに余韻がなくなったというものが多い。
 のだが、さてそれを取り除くかとなると、迷いが生じる。迷ったら消せとはつとに言われるところだ。でもその付けたりが作者としてはいちばん言いたいことで、それを言いたいばかりに長々と物語を創ったのだ。消してしまったら、何のために苦労したのかわからなくなる。
 のだがのだが、それは書かなくとも読みとる読者は読みとるのである。読者を信頼しなければならない。なくても読みとれることは書いてはならない。書けば作品を台無しにする。
 わかっちゃいるんだ。分かっちゃいるけど、決心がつかない。

 年末からずっと、僭越ながら作品集の準備にかかっていて、ブログどころではない。自費出版など絶対しないつもりだったが、「樹宴」の木沼駿一郎氏が少部数なら破格の値段で作ってやると言ってくれ、見本を送ってくれたがその出来が良いのでその気になった。
 もちろん人々がプロに作らせる自費出版本のようなわけにはいかないが、ぼくはもともと本の装丁には興味がない。文庫本しか買わない男だ。
 ところが編集にはこだわるのだ。メールで送ればこっちで編集すると木沼氏は言ってくれるが、やはり自分の気に入ったように編集したいので、ページの体裁に合わせたものをCDと紙と両方で作ろうと思って、ずっとその作業にかかっていた。
 ある程度できたので、次は内容の見直しにかかっている。そこへ来て前述の問題にぶつかったのだ。
 削るべきか、でも削りたくないと煩悶している。
 大部分が30数年前の作品なので(近作にろくなものがないのだ)、若気の至りの甘ったるさが目立つ。いまのものとして発表するにはかなり恥ずかしい。でもそれが若さの特権のような気もして、そういうところも削りたくない。でも余分なものが付いているばかりに読者が作品を堪能できないとしたら、やはり削るべきなのだろう。
 と、迷い続けている。
 ちなみに収録予定は次の十作品である。
「朝」「祈り」「つまらない話」「幽霊」「駅」「石」「すずめ」「あこがれ」「ある日、三郎は」「失われた夜のために」
「駅」はバージョン2宇宙編のほう。「石」は高原さんは気に入らないだろうけど。「ある日、三郎は」は「三郎の不思議な日々」の改題。これはたった一人の読者にしか理解されなかったけど、ぼくとしては大事な作品だ。
 どれも、どこまで理解されるか疑問だが、結果として、ぼくのいろんな傾向を網羅することになりそう。
 まだしばらくかかる。木沼氏もいま忙しそうなので、ちょうどよいかな。「樹宴」は9号の出版準備があらかた整い、何箇所か修正にかかっている模様。あと同人誌フリーマーケットへの出品準備とかあって忙しそうだ。
 ぼくの方は、「ふくやま文学」と「まがね」にそれぞれ短い雑文を送った。「ふくやま文学」は2校まで終わった。いまは(いろんな意味で)これがせいいっぱいである。
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コメント
577: by デボーリンの墓守 on 2016/02/03 at 22:43:36 (コメント編集)

ところで、民主文学とは無縁の作家ですが、山内マリコについてどう思われますか?

ここは退屈迎えに来て (幻冬舎文庫)2014
アズミ・ハルコは行方不明 (幻冬舎文庫)2015
その他いくつも単行本を出しています。

かなり面白い作家だと思います。

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