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「失われた夜のために」改稿

 序をバッサリ10枚切ったが、あとはほとんど小さな手直しだけで、5章85枚まで読み進めた。直したいと思うところはたくさんある。つじつまの合わないところがかなりあるからだ。そこを直す文章を考えていて、はたと考えが止まってしまう。直せばたしかに文章は整然とし、理屈にかなう。だが、それと同時に文章の持つ色合いや、勢いといったものが消えてしまうのではなかろうか。
 迷った末に、手を付けないことにした。もともと某の手記であるという前提で書いている。つじつまの合わないほうがかえってそれらしいのではなかろうか。
 第5章は、18枚にわたってほとんどすべて架空の帝国史である。この第5章の冒頭に系譜が入る。ここはばっさりやるべきだと永年考えていた。読んでも読者にはおそらく何の事だかさっぱりわからないし、面白くないし、本筋と関係ないし、何の意味もない。
 だがいま、これも必要な章なのだという気がしている。つまり、この手記の筆者の姿を活きたものとして描き出すためには、この章が必要なのではないか。小説というものは何かを描こうとするとき、ただ言葉で説明するだけでは小説にならない。その風景を仮想現実世界として作り出し、そこに読者を引きずり込まねばならない。そうして描こうとする人物を言葉で説明するのではなく、読者を引きずりこんだ世界の中に実在させることで、その存在を生きたものとして感じ取らせねばならない。
 ひとつの方法として、この5章を残すなら、いっそもっと徹底的に書いて、読者にとって分かりやすく、興味をひくものに仕立て上げてはどうか、という考えもある。だが、それは無効だと思う。それはこのパートを不必要に巨大化させすぎてしまう。
 いろいろ考えると、いまのわけのわからない状態のまま存続させることがむしろ一番適当に思える。
 6章以下は、旧原稿にはなかったものである。いや、6章冒頭、キリスト教の女が訪ねてくるところまでは書いていた。だがその対話が途中で中断し、そして40年お蔵入りした。数年前にそれを書き継いだ。ここからがむしろ不満が多い。40年前のぼくのほうがいまのぼくよりも才能があった。当時は才能で書いた。いまは経験で補っている。
 この6章以下の60枚ほどは相当書き直しが必要で、かなり時間がかかる。
 そろそろ、研究集会の準備にもかからねばならず、読みたい本も山積みなので、いつ終わるかめどをつけにくくなってきた。
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535:管理人のみ閲覧できます by on 2015/10/29 at 15:46:26

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