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原稿に戻った

 浅尾大輔のブログを読むと、やっと今月の原稿料収入が10万円に近付いたと書いている。雑誌に載せる書評などが多いようだ。北村隆志から、「浅尾くん、チマチマ小さな仕事ばかりやってないでサ」と叱られているそうだが、本人は書評こそがインスピレーションを生みだす、という趣旨のことを書いている。本音半分、弁解半分、それにとりあえず生活費を稼がねばならないし、ぜんそくの持病を抱えながら、それでもがんばっている。
 彼の小説は「ロスジェネ」に連載を始めて第1回だけで雑誌そのものが消えてなくなったので、それだけしか読んでいない。あまり納得した作品でもなかったが、こころざしの大きさだけは強く感じた。平凡な書き手ではない。旺盛な読書の方向もユニークだ。物理学の本を読んだりしている。おそらく哲学の(存在論の)基礎を確認するために必要なのだろう。
 ぼくもチマチマと書評を書いて、本職がお留守になっていた。
 じつはここのところ、庭木とたたかっていた。ここは冬になるとすさまじい北風が吹く。北は農村地帯だが、南は住宅地である。我が家の枯れ葉を町内中にばらまくことになるので、なんとかせねばならない。
 思いきってでかい木を一本丸裸にした。最初のうちそれこそチマチマと切っていたのだが、これではらちが明かないと思ってばっさりやった。妻の車が入っている車庫のほかに庭にも駐車場があるのだが、ぼくの車を処分してしまったので、そこは空地になっている。切り取った枝をそこへ並べると、山盛りに埋まってしまった。切ること自体は簡単なのだ。これをゴミに出せるようにするのが大変なのだ。おそらく数カ月はかかるだろうと覚悟した。
 ところへピンポンが鳴って、見知らぬおじさんが、その崖から落とせば焼いてあげるという。崖下はむこうの池までの傾斜地が借り上げ畑になっている。定年退職したような人たちが野菜を作っている。ここでしばしば野焼きをやる。夏など窓を開けていると煙いし、その向きに洗濯物を干しているので、においが付くと妻が嫌がる。そのうち地主に言ってやめさせようと思っていた。
 ところが渡りに船である。数カ月かかる仕事が一瞬で終わってしまう。そのかわり今後いっさい野焼きに苦情を言えなくなるだろう。少し迷ったが、誘惑には勝てなかった。「それはありがたい」と叫んで、数メートルの距離を運び、次々崖から投げ捨てた。山のような葉付き枝がなくなるまで、一瞬とはいかなかった。一時間かかった。それでもすっかり片が付いてしまった。万歳。
 これで庭木仕事が全部終わったわけではないのだが、とりあえず冬は越せそうだ。
 で、きょうから原稿に戻った。まずは木沼さんとの約束を果たすべく、「失われた夜のために」の書き直しである。
 思えば去年のいまごろ、「スプーン一杯のふしあわせ」が最終場面にさしかかりながら、突然タバコを止めたせいでまったく手につかなくなってイライラしていた。ブランデーをちびちびなめることでやっとなんとか書き進めた。
 煙草はいまでも欲しい。というか、いまますます欲しい。いまでもイライラする。吸ってしまった夢を何回も見た。夢の中であれこれ言い訳していた。でもあれから一本も吸っていない。ただ吸っている人のいる方へ鼻がひとりでに伸びていくだけだ。
 ガムを噛み、飴を舐めるので、生れてはじめて腹が出た。そのせいで坂道を歩くと息切れがする。少しくらい体操しても、一回出てしまった腹は決して元に戻らない。
 でもともかく書かねばならない。
 あるプロ作家は、朝五時に起きて原稿用紙五枚書く。すると七時でちょうど朝食である。それで一日の仕事終了、と書いていた。一日五枚でも三十日書けば百五十枚だ。なるほどそれを持続すれば飯が食えるだろう。これはプロの場合だが、アマチュアでもやるべきことは一緒だろう。要するに生活の中にスケジュールとして組み込んでいかねばならない。さなくば、永久に何も成し遂げられない。
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532:管理人のみ閲覧できます by on 2015/10/18 at 09:57:56

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