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たなかもとじ「意見陳述」(民主文学10月号)

 なかなか「民主文学」一冊を読み終えられないうちに11月号が来た。とりあえず10月号。
 裁判所での主人公の最後の意見陳述のあたりで急に盛り上がって、最終的にはけっこう感動したのだが、そこにいたるまでが少し読みづらかった。難解というのではない。退屈するのだ。
 文章は一応整っている。のだが、方々に使い方のおかしい語彙や言い回しが出てくる。で、そこここで躓きながら読んでいくことになる。で、もうひとつ気になるのが、個性が感じられないということなのだ。
 タクシー運転手を描いた新人賞受賞作から、交通事故で息子を失った父親を描いたもの、そして津波で死んだ子供の亡霊が出てくる一種オカルト的な作品と、いままで彼の作品は3つ読んで4作目である。どちらかというといままでの作品のほうが個性があったような気がする。今回の文章は途中まで中性的な感じ、無味無臭という感じがした。
 小説の文章は国語教師の文章のようであってはならない。ただ意味を伝えればよいのではない。香りがなければならない。それは個性から出てくるもので、その人特有のものだ。今回作ではそれを強いて消したように見える。そこにどういうねらいがあったのか、なかったのか、次回作でわかるだろう。
 ただ、言葉には気をつけてほしい。指摘すればきりがないが、たとえば次のようなところ。
 75ページ下段1行目。「内意」。使い方が違うでしょう?
 73ページ上段終わりから2段落目。「直向きに生きていた」。ふつうひらがなで書くところだが、それはいいとしても、この場面で、もちろん「ひたむきに生きて」もかまわないのだが、なんとなく違和感がある。説明するのは難しいが。
 あと、印をつけておかなかったので、いますぐ見つけ出せないが、かなり方々で引っかかった。以前の作品ではこういうことはなかったと思う。今回、少し気取って文章を作りすぎたのではないか。国語教師的な文章を書こうとして、かえって方々に瑕疵が生じた。
 しかし、次々と書いておられるのは立派である。作家はこうあるべきだろう。
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