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曽野綾子

 曽野綾子がまた何か変なことを言ったらしい。その文章は読んでいないのでそれについては書かない。むかし一度彼女の講演を聴きに行ったことがあるのでそのときのことを書く。
 たぶん20数年前だ。うろ覚えだが、彼女が「奇蹟」という本を書いた。内容は失明の怖れから手術で無事回復した体験で(ぼくは読んでいないのだが)、病を得ては回復を繰り返していた義父が、同じクリスチャンということもあって、これにいたく感動した。で、自身が理事長を務める知的障碍者施設の行事として、彼女を招いた。
 講演は福山からさらに山ひとつ越えて海べりに出た沼隈というところであった。鞆の近くである。当時ぼくは倉敷の水島にいたが、曽野綾子の大ファンのクリスチャンが妻の友人にいたので、彼女をともなってでかけた。
 講演の内容は忘れた、ただ一個所を除いては。
「日本に不満な人はソ連にでも行きなさい」
 障碍者施設の招いた講演会である。義父は彼女が責任者を務めるボート協会からも多額の寄付を得ていたので、そういう関係から成立した招待だったのだろう。演題が何だったか、もはや記憶にないが、その言葉はいかにも唐突という感じでいきなり発せられた。前後の脈絡がない。だれと討論しているわけでもない一人語りである。
 ぼくはびっくりした。義兄も驚いたらしくて、あとでそういう感想を述べた。
 それがぼくらを驚かしたのは、あまりにもありふれた言葉が小説家の口から出てきたからだ。彼女が口にしたのは、大昔から巷間でしょっちゅう耳にしてきた、あまりにも俗っぽい言葉である。その言葉のままである。
 この話はそれだけだ。
 曽野綾子の小説は何冊か読んだ。いい小説もあった。ごく若いときの作品には多少左翼っぽいのもあった。だが、彼女は基本的にマッチョである。彼女の眼に左翼は人生に失敗した人が愚痴を並べているというふうにしか映らない。女々しいことが嫌いなのだ。小説家としての技術は持っている。だが、その発言はまともに相手にすべきものではない。
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