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「偉大なる暗闇」と別件「母音について」

「三四郎」の中で、与次郎が広田を指して呼ぶ「偉大なる暗闇」という言葉を、ぼくはいままで単に、「偉大であるのに世間に知られずに埋もれている人」という意味のみに取っていた。それにしては大げさすぎる表現で少し意味不明だと思いつつ、お調子者の与次郎のセリフなのだからそれでいいのだろうくらいに思っていた。
 今回、たんめん老人さんが、高橋英夫という人の著書からこの言葉の意味を読み解いている。以下に引用する。
「偉大なる暗闇 師岩元禎と弟子たち」高橋英夫
「ヨーロッパの学問芸術がはるかにも遠い奥行をもっていることを身にしみて知り、他のすべてを犠牲にしてもひたすらその奥の奥に迫りたいと念じた人間の中から、『偉大なる暗闇』と呼ぶしかない存在があらわれたのである。それは明治40年頃になって次第に各地の高校、大学などにその存在を顕著にしていった新しい探究者の像である。外からみればほとんど完全に自己表現の失ってしまった、ただ西洋の学問への沈潜に生きるほかは何もしなかった人間である」
 これを読んで「偉大なる暗闇」という言葉が初めて明瞭でぴったりした言葉としてイメージできた。吸収することに夢中になって発信するどころではなくなっているブラックホールのような存在と言おうか。これもインテリゲンチャのひとつの姿だろう。しかもこの暗闇は黒々とした深い光を放っているのだと思う。

 もうひとつ、ついでに別件を書く。やはりたんめん老人さんの紹介で大野晋「日本語と私」のなかに、橋本進吉という人が、古代日本語には母音が8つあったということを万葉集の研究から明らかにしたということが書いてあるそうだ。
 8つでも諸外国の母音の多様さからすればまだ少ないが、日本語の母音を5つにしてしまったのが国語教育のせいではないかというぼくの仮説に根拠をくれる。現代でも方言にはもっと豊富な母音が残っている。
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