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チンパンジーとボノボ

 去年の1月15日にボノボについて書いたが(タイトルは「交換について」)、ちょうど1年経った。読み返してみると、大筋は覚えているが、自分で書いたくせに、細かいところはすでに忘れている。
 最近朝日新聞にまた記事が載った。それによって若干変更の必要が出てきた。
 ヒトの祖先はチンパンジーかボノボか、という争点は無意味になった。チンパンジーとボノボの共通の祖先がヒトの祖先と別れたのは500万年以上前、これに対し、チンパンジーとボノボが分岐したのは、わずか100万年前のことだそうだ。
 かれらとヒトとのDNAには1%を超える違いがあるが、かれら相互間のDNAの誤差は、コンマ以下である。(それにしてもいずれにせよ、わずかな違いだね)。
 要するに、ヒトの祖先がかれらと別れたとき、彼らはまだ同一の種族だったので、ヒトがチンパンジーとボノボのどちらに近いかという議論は無意味になった。ヒトの遺伝子には、両方があると考えるべきなんだろう。
 研究者が注目しているのは、チンパンジーとボノボの正反対の性質が、かくも短期間に生来の性質として完了してしまうという事実である。
 攻撃的なチンパンジーと協調的なボノボ、それを分けるものはほんのわずかなことであるらしい。
 チンパンジーは、コンゴ川の北側に沿って広範に生息している。これに対してボノボはコンゴ川南側のごく限られた地域にしかいない。チンパンジー生息域にはゴリラもいる、ボノボ地域にはいない。これも両者の違いの原因のひとつと考えられるようだ。つまり敵対的他者の存否である。
 しかしもっと直接的な因果関係を示すのは、メスの発情期の有無だ。
 チンパンジーのメスは妊娠子育て期には発情しない。しかも子育てには数年かかる。それが終っても、発情するのは一年間のうちのわずかな日だけである。それ以外の日にはオスを受け入れない。したがってオスの性交のチャンスはわずかしかなく、これをねらっていつもイライラし、攻撃的なのだ。
 チンパンジーは戦争をする。群れどうしでたたかい、敵のオスを殺し、メスを自分の群れに獲得する。人間とそっくりだ。メスをめぐる闘いはあらゆる動物のオスの宿命だが、相手を殺すまでやるのは、人間とチンパンジーだけだという。
 ボノボのメスには発情期はない。言い換えれば常に発情している。これも全動物の中でヒトとボノボだけである。妊娠していようが子育て中であろうが、ボノボのメスはおかまいなしに性交する。しかも誰とでもする。日常的にする。だから、どのオスもイライラしない。満ちたりて精神的に安定している。けんかする必要もない。どの子が自分の子か分からず、どの子も自分の子である可能性があるので、すべての子に対してやさしい。
 共通の祖先から、ごく短期間に正反対の性質が生まれた。祖先はどちらへも発展する可能性のあるDNAを持っていたのだろう。それは彼らがヒトの祖先と別れたときにも持っていたものである。ヒトの祖先も両方を持っていた。
 だがそのDNAはいまどうなってしまったのだろう。

 ヒトはいつまでチンパンジーの生き方を続けるつもりなのか。
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