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桃太郎

 桃太郎の話をマイナスイメージで読むこともできる、というのは昔から耳にしていたし、ぼくも確かにそうだと思っていた。だが、20年ほど前、池澤夏樹が「狩猟民の心」と題してこのテーマで書いたとき、彼は自分のオリジナルだと思ったらしい。ところが実はずっと昔に、福沢諭吉が「ひゞのおしへ」の中で同じことを書いていることに気づいたという。
 しかし、池澤氏の桃太郎分析は念が入っている。
 曰く。
1、 鬼は最初から鬼と規定されている。
2、 一緒に行くのは黍団子で雇われた傭兵である。
3、 この傭兵たちは人間より劣るものとして設定されている。
 ぼくらがなんとなく(そうまじめに考えたこともなかったので)持つイメージは、せいぜい1までで、2や3を考えたことはなかった。こうして読まされてみると、やったねという感じである。
 で、話はここからで、今朝の朝日によると、義家弘介とかいう人がこれにいちゃもんをつけたらしい。
 というのが筑摩書房の高校教科書がこの文章を国語で使った。けしからんというわけだ。
 それには池澤氏がこの解釈の前置きとして、これは「日本人の心性を最もよく表している物語」であると書いたことが響いているようだ。氏もその点は反省して、「人間の心性」と書くべきであったと言っている。
 そこらへん若干池澤氏の勇み足は感じないでもないが、文章の趣旨は、「桃太郎はこういう解釈もできるのだ」ということなのだと思う。もちろん、お伽噺であるから、解釈がひとつでなければならないということはない。筑摩書房が載せたのは高校教科書であって、小学校教科書ではない。生徒に多様な考え方の訓練をする場所である。担当の国語教師が、この解釈しかないのだという教え方をするなら問題だが、それは教師の問題であって、著者の問題でもなければ、教科書会社の問題でもない。池澤氏の解釈が不当な解釈であれば問題としてよいが、正当な解釈のひとつである。ぼくは義家氏の意見は池澤氏が引用した範囲でしか読んでいないが、その範囲で言えば、無理な意見だと思わざるをえない。
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コメント
407: by 匿名 on 2014/12/07 at 10:04:11

続き。ただ、池澤夏樹氏の桃太郎論にも疑問を感じます。昔話の成立と変容は奥深い謎だと思います。まず、この説話や類型説話の分布と伝承、桃から生まれた出自の意味は? おじいさん、おばあさんとは? 鬼、サル、雉、犬とは? そしてそれらの関係について。池澤氏がおっしゃっているような多様な議論に誘うめの教材としては無理があるように思いました。 

406: by 匿名 on 2014/12/07 at 09:48:48

義家氏は、もと北海道の高校教員です。「ヤンキー先生」などと言われ、全教系の教育運動のなかで教育研究集会の講師に呼ばれるなど、「民主的」教育運動のなかでも一時もてはやされていました。「有名」になるに従って右傾化しはじめて今では自民党の国会議員文科省政務官など教育右傾化の最前線に立っています。本人の問題もありますが、若い人をヒーロー扱いしてしまった側も反省すべきです。共産党系の運動は、ヒーローを作りたがる傾向があります。人を集めようというときにはとかくヒーローを作りたがるものですが、非常につたないやり方だと思います。集会に、特定のヒーローはいらない。偉い人の講演もいらない。みんなが発言する。それがあたりまえになってほしいと思います。

405:なるほど by 石崎徹 on 2014/12/06 at 22:31:53 (コメント編集)

 その作品は知らないけれど、なるほど南極のペンギンから見れば、それもインベーダーに違いない。

404:南極物語 by 笹本敦史 on 2014/12/06 at 18:23:40

南極探検隊を不可解な異星人、彼らが置き去りにしたタロとジロを凶暴な怪物として描いた星新一の作品がありました。

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