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日本語

「アナと雪の女王」が出てきて思ったのだが、アナは以前はアンナと表記し、そう発音していた。綴りはAnnaである。以前はローマ字読みしていたのを、近年はできるだけネイティブの発音に近い表記にしようという傾向の現れだろう。
 近いというだけであって同じにはできない。なぜなら日本には50音しかなく、ひらがなもカタカナもそれ以外の音を表記できないからだ。
 ぼくはもともと耳が悪いので日本語さえまともに聞き取れず、外国語はさっぱりで、そのせいで大学をやめたが、世界の言語には日本人には発音できない(もしくはしづらい)音が豊富にあるようだ。
 だが、お年寄りの方言を聞いていると、日本語も本来はもっと豊かな音を多様に持っていたのではないかと思ったりする。彼らの言葉には50音では表記しにくいものが結構ある。
 仮説だが、日本語の音を50音に単純化したのは、ひらがな、カタカナの普及、特に明治以後の学校教育だったのではないか。
 ひとつの文字がひとつの音だけを現す、こういう文字が世界にほかにあるのかどうか知らない。たとえば漢字はそうではない。漢字は意味を現し、その発音はそれが意味する単語にもともと備わっていた音だ。
 アルファベットもじつはそうではない。ひとつの単語にひとつの綴りがあるが、綴りの全体としてひとつの意味とそれに付随した音とを表現しているのであって、アルファベットの一字一字に固定した発音があるわけではない。いや、一応はあるのだが、そのひとつひとつの音を連ねてみたところで単語全体が発音できるわけではない。そういう点で、ヨーロッパ言語の単語綴りは、中国の漢字もしくは熟語と呼ばれる漢字の連なりによく似ている。
 日本ではアルファベットをローマ字として使った。そのやり方は、子音と母音をワンセットにしてこれを50音に固定し、単語としてではなく、ワンセットの文字をひとつの音として読みあげていった先に初めて単語が生まれるようにしたのである。これはアルファベットのひらがな化である。文字と音との関係としてひらがな、カタカナで確立した日本的方法をアルファベットにも当てはめたのだ。
 どういうことを言いたいのかというと、漢字もヨーロッパ言語の綴りも、まず単語である。単語であることでそれは初めて発音できる。ところが日本の文字は、単語である必要がない。あ、え、と書いてあれば、意味不明でも、あ、え、と発音できる。どんなに多くの文字を書き連ねても、その書き連ねられたものがひとつひとつの文字の発音を裏切ることはありえない。
 こうして、ひらがな、カタカナに50音しかなかった結果、その50音が日本語を支配し始める。50音以外の音は汚い音として日本語から排除される。こういう過程が、学校教育、印刷物、そしてやがてラジオ、テレビを通じて、日本語の音を単純化していったのではないか。これがぼくの仮説である。
 お年寄りの方言もそうだが、幼児の言葉を聞いていると、結構曖昧な音が豊富にある。それをこちらが真似て発音しても、彼らは違うという。何度真似ても彼らは違うといって手本を示そうとする。まるで発音の教育を受けているような気分になるが、我々は知らず知らず彼らのあいまいな音、馴染みのない音を、慣れ親しんだ50音に直して聞きとり、そうして50音で発音するので、彼らの敏感な耳は違いを聞きつけてしまうのだ。
 ぼくはもともと耳が悪いので一概には言えないが、日本人は成長するにつれて耳と舌とを怠けさせてしまうのではなかろうか。
 世界一外国語習得が苦手な国民と呼ばれるのも、そこに原因があるように思える。
 ただ、もともと日本語は多音節語であると言われる。本当に古代からそうだったのかは疑わしい、少なくとも、ひらがな、カタカナがそれを助長したのではないかという疑いは持つ。だが一方、多音節語が一音一字に帰着していったのも自然なことのようにも思える。
 やはり「アナと雪の女王」だが、「ありのままの」と日本語訳される原歌詞は、let it go let it go と二回唄うのである。このlet it go がぼくの耳には、レッチゴーとしか聞こえず、どうかするとレッツゴーと聞こえてしまうのだが、let it go (ありの) let it go (ままの)となっている。そしてこれは理屈に合っている。letもitもgoも単音節であるから、三単語併せて、三音節である。そして「ありの」も「ままの」もそれぞれ三音節なので、ちょうどぴたりとハマるわけである。
 多音節語には一字一音が調和しているとする事例のつもりで書いたが、少し違ったかも。
 結論が出なくなってしまったが、疑問の提起である。
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