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林真理子

 新聞の連載小説は永年読まなかったが(高校時代は読んでいた)、いまは二本のうち一本くらいは読む。
 宮部みゆきはとびとびに読んでよく分からなかったが、読んだ限りでは、浦沢直樹の「モンスター」に似ていると思った。双子の兄妹がいて、兄は悪の権化、妹は善の権化、反発しつつも惹かれあう二人の過ちからモンスターが生まれる。元兄弟藩だった隣り合う二藩の抗争、拉致事件等をからませてこれは朝鮮問題が下敷きだなと思わせた。(浦沢作品は東西対立が下敷きだった)。いつもながら人間描写が丁寧で魅力的だった。下積みの人間たちを丁寧に書くのがよい。歴史小説は彼らの存在を無視してしまうのだから。
「こころ」の再掲を読んでいる。「こころ」については失敗作であると書いたが、いま毎日少しずつ読むと、結構楽しめる。読んでいて疑問に思うところが翌日になるとちゃんと書かれていたりする。なるほどこれは連載向きに書かれた小説だと感じる。
「こころ」は高校時代から4、5回は読んでいて、何度読んでも納得できなかったが、最後に読んでからでも数十年経つ。見直してみるよい機会になった。
 ノンノンの林真理子が面白い連載を始めた。彼女はかつてアグネス・チャンを悪しざまに言ったのでぼくは嫌いだった。(何を隠そう。ぼくはアグネス・チャンの隠れたファンなのだ。水島に来たときは一番前に張り付いて見た。かわいかったよ)。
 そういう事情から、林真理子を読むのは初めてだ。話がどう展開していくか分からないが、いまのところは自費出版の裏話。あわせて出版界全体の裏話を書いている。それを知り得る立場の人物だから、現実に近いのだろう。
 純文学関係の雑誌は3千部くらいしか出ていない。4、5億の赤字である。それでも掲載作の単行本化、文庫本化で採算合うのだろうというと、そうではない。それも売れない。売れる作家は全体の5%で、この5%がほかの作家たちを支えている。この10年ほどで急速にそうなったという。もう雑誌をやめたいのだがやめられない。チキンゲームである。
 こんな話を読むと「民主文学」はよく頑張っていると思う。
 ところが、小説を読みたい人が激減したのに、書きたい人が激増している。新人賞に2千名の応募があるという。これは審査する側は地獄だろう。民主文学新人賞に外部からの応募が殺到する理由も分かった。
 3千しか売れない雑誌に2千人が応募してくる。買った人の3分の2が応募したわけなのかもしれないが、買わずに(読まずに)応募する人も多いのだろう。
 そこで、これはどの程度フィクションか知らないが、CDを買った人が貰える握手券の向こうを張って、雑誌に新人賞応募券を付けようかという冗談話が出てくる。思わず同情したくなる。
 読まれもしない小説をこれほど書きたい人がいるのなら、ぼくはもういいかと思ってしまう。ぼくの書くほどのことはおそらくほかの人が書くだろう。書かねばならないという気持ちを捨ててしまえば、心安らかに読書もできるのだと思ってしまう。そういう生活にさかんに憧れる。でもたぶん、自由を獲得すればぼくは何もしなくなるだろう。束縛されていると感じるからこそ憧れる自由というものがあるのだ。たぶん。
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