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共産党9中総「第26回大会決議案」についての感想断片 高原利生

(コメントでは目につきにくいのでこちらに移します。以下はあくまで高原氏の見解です。判断は読者にお任せします)

 ネットに載った直後にざっと読んだ気になるところについての感想の断片で、全体に関するものではない。「かぎかっこ」は決議案の引用である。

 共産党の低迷を根本的に脱するために必要なことは、 第一に、右翼や「良識派」にない、本来のマルクス主義(共産党の言葉では「科学的社会主義」)の目的、理念とそれを実現する道を具体的に示すこと(かつ行動は現実的に行うこと。この点は充分、現実的である)。 第二に、マルクス主義の本来持っている、現実に向かう態度、自分と対象を変える弁証法的方法を自らの生き方とすること。この二つに尽きる。
 今の共産党は、全くこの正反対ばかりやっているので、低迷は当然で「合理的」である。問題は極めてはっきりしている。この二つを実現できれば、共産党、マルクス主義は回復する。できなければ、このまま衰退する。また、これ以前の第三の問題として、今の共産党は、論理構築力がなくなっている。分析や政策を述べる時にこれは表れている。

第1章 「自共対決」時代の本格的な始まりと日本共産党
(1)「日本共産党の躍進は、1960年代終わりから70年代にかけての“第1の躍進”、90年代後半の“第2の躍進”に続く、“第3の躍進”の始まりという歴史的意義をもつものとなった。」
 2013年参議院選挙に「躍進」した理由を、自民党批判票の受け皿があるとかないとかの外部的理由を主に述べるだけで、昔と今の共産党自体の分析はない。頑張ったということを述べるだけで、共産党内部の当時の躍進と今の差を分析しない。

第2章 世界の動きをどうとらえ、どう働きかけるか
(5)「20世紀におこった世界の最大の変化は、植民地体制が完全に崩壊し、民族自決権が公認の世界的な原理となり、100を超える国ぐにが新たに政治的独立をかちとって主権国家になったことにあった。」
 共産党として、「20世紀」というなら、社会主義国の誕生に触れないのは異様である。旧ソ連、東欧諸国での社会主義国の失敗の経験から、彼らがどうして間違ったのかを問う姿勢がないことは致命的である。彼らが間違った「原因」の最大のものは克服されていないからである。これが、後の方で、日本の今後の展望が、今までと同じ、抽象的で中身のないものになることに繋がっている。

(6)「アメリカをどうとらえるか――党綱領の立場を踏まえて」
 表層を記すのみである。そのアメリカについての「党綱領」は合わなくなっている。
 第一に、アメリカ経済は今でも量的には世界一だろうが、今のアメリカ経済を支えているのは、実体経済の何倍何十倍の経済虚像である。ドル崩壊を如何に防ぐかに必死になっていて、5―10年後に、ドル崩壊アメリカ発大恐慌が予測される国である。アベノミクスは、このアメリカ路線を踏襲しようとしている。
 日本の対米従属は、官僚、自民党がアメリカに頼んでそうしてもらっている故の対米従属に過ぎず、マスコミがそう振りまいているに過ぎない。
第二に、今のアメリカの政治の二面のように見えるのは、アメリカ内部の、世界政 の覇権を維持したい勢力と多極化で経済発展を重視する勢力の争いの反映である。この動きはアメリカ内部にとどまらず、世界全体の情勢の問題である。現実も、各勢力の意図も、分析可能である。分析しなければならない。田中宇はそれをやっている。
 昔は、共産党は分析をやっていた。なぜ今は、表面の記述だけになってしまったか?

第3章 自民党政権の反動的暴走と対決し、新しい日本をめざす
(15)「原発とエネルギー――原発政策の発展と焦眉の課題」
 「火力発電所の拡大は緊急避難的にはやむをえない」というのは反対である。化石燃料を燃やすことに反対である。「地球温暖化」というとらえかたにも反対である。
僕は、共産党の安易な「反原発」には、前から反対している。

 福島事故の原因が分からないか、分かってもそれに対する対策が不可能なら、再稼働はできない。事故の原因が分かり、それに対する対策が充分取られ、その他不十分な点の改善をすれば、再稼働できる。事故の原因は、努力すれば必ず分かる(共産党は、最初、事故の原因が分からないことを、再稼働反対の根拠の一つに挙げていた)、そして、今は、事故の原因は分かっている。商用電源と非常電源喪失時にも、二基の原子炉の冷却装置は、二号機は70時間、三号機は36時間、動いていた。冷却装置が動いている間に、当時の菅直人総理のような素人でも、ベントと海水注入が必要だと分かっていた事態に、東電経営陣がそれをしなかった経営ミスと運用ミスが直接の原因である。しかし、それに対する対策、改善が全く不充分である。この対策ができない今は、再稼働できない。この対策は、主として、運用面の対策であり、並行して行われるはずのハードの改善に比べて比較にならない人員、時間、コストがかかる。今は、それを要求する重要な闘いが緊急に必要な時期である。これは、他の問題の資本主義改良についての闘いではなく、資本主義との直接の闘いである。
 原発を、「すみやかになくし再生可能エネルギーへの転換の道を示す」「即時原発ゼロ提言」は、「即時ゼロ」でない有限の時間を要することを表現しており、日本語としてもおかしい。福島一号機と同型の原子炉は廃棄し、その他は、可能なものについてなるべく再稼働させたい。
 事故の対処は、全力を挙げて行わなければならない。これ自体は、再稼働の問題とは関係ない。

(17)「東南アジアで発展している平和の地域共同体を、北東アジアにも広げようというのが、私たちの提案である。つぎのような原則にたった、北東アジア平和協力構想を提唱する。」
 韓国の朴大統領の、2013年5月、米国議会での演説の「北東アジアの平和協力構想」とそっくりの名前である。昔、鳩山首相が、東アジア共同体を提唱し、官僚とマスコミのバッシングを招いた。朴大統領は偉大である、鳩山首相は偉大であったと思う。今はそれだけだ。

第4章 「国政と地方政治で躍進を本格的な流れに」
「わが党の地方議員数は、市町村合併による町村の大幅な減少、定数削減のもとでの選挙での後退などによって、かつて第1党であったが、現在は2700人台で、自民党、公明党の2900人台に次ぎ、第3党となっている。」
このような、二文、三文を一つにした日本語失格の文章がある。内容的にも、第3党となった理由の分析が何もない。2012年の参議院選挙より前の三回の国政選挙の分析が、1.それほど負けてはいなかったことを都合のいい数値を挙げて弁解する。2.政策は間違っていなかったが、周知の努力が足りなかったと反省する。3. 努力が、勝つに必要な力に届かなかった、努力をしたところは、勝ったというだけであるのと同類である。

第5章 「躍進を支える質量ともに強大な党建設を」
「全国各地の職場で、雇用・労働条件改善などの要求とともに、「社会に役立つ、いい仕事がしたい」という労働者の根本的な要求を重視して人間的信頼関係を築き、党に迎え入れている経験が広がっていることは重要である。党員が、職場で自らの仕事に誇りを持ち、仲間を大切に頑張っている姿が、若い労働者に共感を広げており、ここに確信をもって大胆に働きかければ、いま職場支部の前進をかちとることは可能である。」
 これは、一見もっともなように見えるが、「労働」の内容が、党勢拡大の手段にしかなっていない。

 民主集中制は、取り上げられてない。
 真理は、最初は必ず少数派から始まる。多数決は、民主主義の手段ではない。民主集中制は、民主的な議論がなされるという条件では正しいが、実際上、これは不可能である。今の共産党を変えるために、民主集中制の変更は必須である。

第6章 日本における未来社会の展望について
(28)「“社会主義をめざす国ぐに”をどうみるか」
 案は「資本主義国との対比が試されるようになっている」と言った後、次のように続ける。
「人民が主人公」という精神が現実の社会生活、政治生活にどれだけ生きているか。経済政策の上で人民の生活の向上がどれだけ優先的な課題になっているか。人権と自由の拡大にむけて、自身が認めた国際規範にそくした努力がなされているか。国際活動で覇権主義を許さない世界秩序の確立にどれだけ真剣に取り組んでいるか。核兵器廃絶、地球温暖化などの人類的課題の解決にどれだけ積極的役割を果たしているか。
 私たちは、これらの問題について、中国やベトナム、キューバが、資本主義国との対比において、「社会主義をめざす新しい探究が開始」された国ならではの先駆性を発揮することを、心から願うものである。」
 挙げられた基準は、今の日本の水準での基準である。他国にこの基準を要求すること自体に違和感を感じる。
 
(29)「生産手段の社会化によって、資本主義に特有の「利潤第一主義」という狭い枠組みから解放され、「生産と経済の推進力」が、「資本の利潤追求から、社会および社会の構成員の物質的精神的な生活の発展」に移されるなら、人間による人間の搾取を廃止するとともに、現在の資本主義経済のこうした「浪費的な部分」は一掃されることになるだろう。そのことによって、現在の社会的生産の規模と水準でも、日本国民すべてに「健康で文化的な最低限度の生活」を十分に保障し、労働時間の抜本的な短縮を可能にすることだろう。そのことは、社会のすべての構成員の人間的発達を保障する土台となり、社会と経済の飛躍的な発展への道を開くことだろう。」

 このもっともらしい抽象論のほぼ全体に反対する。ここに現れている労働軽視に反対する。この抽象論のように将来像が明確でないことが、共産党低迷を生んでいる。自由な労働による、自由な思いやりの世界が目指すものである。
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