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共産党大会決議案と、エガリテ批判文 3

 3、政策

 エガリテ批判文の第3回は決議案の第3章である。ここは政策である。内容は多岐にわたっている。
(1)賃上げ問題
(2)原発
(3)言葉使いの問題
(4)中国、韓国問題
(5)統一戦線
 以下順番に見ていく。

(1)賃上げ問題
 このなかでも二つの問題が語られている。
①「賃上げで経済危機を打開する」という決議案に対し、エガリテ氏は「賃上げは経済危機打開のためではなく、働く者の権利である」と批判している。どうもエガリテ氏には原則論にこだわるところがある。権利であると言われても労働者には「でも不況だからねえ」という思いがある。それに対して、「この不況を解決するためには国民の購買力を増やさねばならないのだ」と訴える必要があろう。決議案の表現は問題ないと考える。
②「内部留保1%で1万円の賃上げ」
 内部留保問題はさまざまなところでさまざまに書かれており、経済音痴のぼくにはよく分かりかねるところがある。
 たしかに、儲かっている大企業のいまでも賃金水準の高い労働者の賃金だけがさらに上がると受け取られかねない表現で、問題かもしれない。大企業のもうけは広範な下請、関連企業から搾り取ったものでもあるだろう。誤解を生む表現だとすればやめねばならない。
 ただスローガンというものは簡潔な言葉でわかりやすく訴える必要から不正確なものにならざるを得ない。その訴える力と、誤解される危険との兼ね合いであろうか。

(2)原発
 この項目ではエガリテ氏の唱えている異議に全面的に賛成である。
 決議案の見出しを見た瞬間、「原発政策の発展」てなに? 共産党がまだ原発をやろうての? と思ってしまった。この見出しは日本語になっていないのである。原発政策の「発展」ではなく「転換」なのだ。それを「転換」と言いたくないので「発展」と書いて日本語として意味の通じないものにしてしまっている。
 何度も書くがぼくは共産党の文献に通じていない。だから間違ったことを書くかもしれないが、共産党と原発に関するぼくの認識は以下である。
 共産党はたしかにいまの原発を未完成の技術であるといい、トイレなきマンションと言ってきた。各地の原発反対運動もリードしてきた。津波による全電源喪失の危険もあらかじめ指摘した。にもかかわらず、原子力の平和利用の可能性は認めていた。その曖昧さのゆえに、原発完全否定の市民運動に対する冷淡さがあったのではないか。
 ぼくの記憶に明確にあるのは、3.11の直前、2010年の党大会決議である。案の段階では原発も温暖化もなかった。大会討論の中で温暖化が付け加えられた。しかし温暖化はいろいろ議論のあるところだが、それが急に力説されるようになったのが、原発推進のためであるのはあまりにも明瞭だった。電力各社は日常的に全面広告を載せて炭酸ガスを出さないクリーンエネルギーとして原発を宣伝していた。オール電化、電気自動車もクリーンであると宣伝していた。
 もちろん温暖化も大切だが、こういう背景のある温暖化について語るなら、それが原発を許すものとなってはならないということを明確に指摘する必要があった。ぼくはそのころ県委員会と定期的に接触していたので、「なぜ、原発について一言も書いていないのか。炭酸ガスと放射能とどちらがより怖いのか」と質問した。
 県党の責任ある人物の答えは、いまの原発は未完成の技術云々というこの項の冒頭に書いた決まり文句だけで、案の段階ではなかった温暖化をわざわざ追加しながら原発に沈黙することが、どういう意味を持っているかについてはついに理解しようとしなかった。
 これが共産党の原発への立ち位置だったとぼくは理解している。3.11後、それを転換したとき、朝日新聞は共産党が原発政策を変えたと書いた。変えてよいのだ。変えて正解だった。だが変えたということを認めないのは非常に不誠実な態度である。朝日新聞は、自分たちが原発を推進してきたことについて、そもそもにさかのぼって何故そうなったのかという検証を行った。その検証過程を紙上に連載した。これが人々の信頼を勝ちとる道である。
 共産党がこの問題に沈黙し続ける限り、党への不信が人々のなかに残るだろう。
 平和利用を認めていたことを責めているのではない。判断の難しい問題であり、いまでもそれを認める人々は多い。態度を変えたことを責めているわけでもない。当然政策は変わる。だが変えたのに変えていないと言い張ることが許せないのである。

(3)言葉使いの問題
 エガリテ氏は、対米関係について、「従属」とだけ言うべきであって、「異常」とか「いいなり」とかいう言葉はあいまいであると言っている。赤旗読者でないぼくにはこの辺の微妙なところはまったくわからないので、この問題は素通りする。

(4)中国、韓国問題
 この問題ではぼくはエガリテ氏の立場に立てない。決議案の方に賛成する。その理由は当ブログの「憲法9条」のなかで書いたので、それを読んでいただきたい。ここでは繰返さない。当ブログであまり触れていない問題についてだけ少し触れる。
 例えば、個人賠償問題は、政府間合意の中で解決したから、あとは当該政府と個人間の問題で、日本政府としては終わっているというのは、法理としては正しいのかもしれない。悪いのは個人賠償しなかった中国、韓国の政府かも知れない。しかし現に問題が起こった以上、あれらの解決方法がそもそも間違っていたのである。何かで読んだ話だが、ドイツは戦後延々として個人賠償を続けているという。加害者の側が責任を投げだしてしまったことに問題があった。
 中国、韓国問題では双方の世論がこじれてしまっている。しかしそのきっかけを作るのはいつも日本の側である。政治的立場のある人物から挑発的な言論が飛び出て、彼国の世論を刺激する。それにまた日本の世論が反応するという悪循環である。李明博はその任期の間この問題は持ち出さないと言って頑張っていたが、靖国や教科書の問題が一向に改善されないので、ついに最後に忍耐力を切らして竹島上陸を敢行した。もちろん中国、韓国にも国内問題はある。しかし基本的にこれは日本の国内問題である。日本政府が明確に侵略を反省する立場にまだ立っていない。もちろん国民に何かを強制することは出来ないが、政府として最小限しなければならないことをしていない。
 世論は大切だ。しかし、世論と政党の見解が食い違ったとき、妥協すべきときと、妥協してはならないときがある。たとえば天皇問題では妥協してもよい。しかし、中国、韓国を責める世論と妥協すべきではない。この世論は危険な世論である。東アジアに戦争を招きよせる世論だ。この世論に対してはたとえ孤立しても説得の努力を続けるべきである。
 国と国との問題と、イデオロギー問題とは別である。ぼくは日本にとって中国、韓国は最も大切な隣国だと思うし、日本政府の態度ひとつで、仲良くやっていけると思っている。こじらせているのは日本政府の頑迷さであり、それに反応した彼国の政府・世論もそうだが、それに対してまた反応する日本の世論がそれに輪をかける。感情的な対立になってしまう。これとイデオロギー問題とを混同すべきではない。
 イデオロギー問題で言えば、中国を「社会主義を目指している国」と規定する共産党の主張はまったく間違っている。しかし、これはあとの項目で論じることになる。

(5)統一戦線
 社会党にそっぽを向かれ、さらに社会党そのものが消えてしまって以来、統一戦線という言葉が現実性を失ってしまった。いまだに統一戦線や民主連合政府という言葉が党文書に踊るのはいささか滑稽な感じがある。
 この問題ではエガリテ氏の方が現実を見ている。
 革新懇は単に名士を並べただけで、「広大な国民と結びつ」いたものでもなければ、統一戦線に発展し得るものでもないだろう。
 労働運動は壊滅している。これの再建が可能なのか、どうすれば可能なのか、もし困難だとすれば、もっと別の道を模索する必要があるのか、ということも含めて、労働運動については深刻に考えていくべきである。
「連合の相手はどこから出てくるのか」と決議案自体問いかけている。これを党内外からの疑問に答えようとする姿勢として、ぼくは好感を持った。ただその答えが見いだせているようには読みとれない。
 革新懇、一点共闘への楽観的な展望を述べたのち、「政党戦線においても……連合の相手が必ず出てくる」と希望しているだけである。
 たしかに現状ではそのくらいしかない。正論を述べ、世論や名士の共感を集め、各党の内部に影響力を拡げていく、そこから各党に変化が起こることを期待するしかない。
 ただ、ぼくは統一戦線とか民主連合政府とかいった時代がかった単語はいいかげん捨てたほうがよいと考える。その言葉の内容に不満があるわけではない。だがこの言葉には、何か共産党の戦術的な響きがある。
 それぞれの課題で共闘する、ある場合には連合政府をつくる、そういう展望は持つべきだが、そこに共産党的な妙な名前を付けないほうがよい。
 過去の社会党との共闘関係が何故崩れたのか。社会党を批判して終わりではなく、共産党の側にまずい点はなかったのか、そういう検証を党はまじめに行ったのだろうか。
 共闘とは考えの違うものどうしが重なる部分に基づいて行動をともにすることだ。そこには大変な困難があり、深い慎重さを要求されるはずである。今後にそれを展望するなら、過去の検証はぜひ必要であろう。
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