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東 喜啓「長池ちゃんのこと」(民主文学10月号)

 48才。わが「まがね」の笹本敦史に対抗し得る才能の出現だ。めちゃくちゃ面白い。誰が民主文学は面白くないなどと言ったのか。9月号がパッとしなかったので、悲観的なことを書いたが、今月号はヒットが多い。(まだ読みはじめたばかりだが)。
 饒舌体の独白小説。主人公が一人でしゃべりまくって終わり。主人公の年齢ははっきりしない。勉強もせずに三流私大を卒業して、スーパーで3年働いた。それから本屋に入って永池ちゃんに出会うまでが何年か分からない。出会ってからは3年である。30才過ぎくらいかなと思う。
 永池ちゃんは3年前の時点ですでに30代だから、少し年上だろう。女性である。魅力的な女性だ。魅力的に書けている。もう一人女性が出てくる。小島女史。40代半ばで独身。見た目は30代。永池ちゃんとは対照的な女性だが、これも魅力的なのだ。
 女性を書くのがうまい。男の作家は女性を書ければ合格だというから、そうなのだ。
 主人公は教養も品もないと自認するくらいだから、たてまえを言わない。本音だけをしゃべる。かなりめちゃくちゃなことをしゃべる。あとでちゃんと落とし前はつけるのだが、無知な男の本音だから面白いのだ。その本音を女性に反撃させるところがこれまたうまい。
 そのめちゃくちゃなしゃべりのなかで、現代青年の労働と生活の実情、さらには労働に不可欠な法的知識など、抜け目なく盛り込んでいく。
 終わりかたもちょっと読者を喰っていて面白い。
 才能のある人だ。娯しませてもらった。
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