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関 二郎「水切り」(民主文学9月号)

 おそらく少年時代の思い出をそのまま書いたのではないかと思われる。文章にはところどころ脈絡の通らないところもあるが、焦点を絞って要領よくまとめているので、結構読ませる。
 下手に作るよりも素直に書いた方が小説らしくなるという好例だろう。
 作文ではなく小説だとするのは、この作品の場合、主人公の少年を外から見る眼を感じるからだ。もちろん逆に主人公になりきって書く小説だってある。だが、その場合も作者と主人公とが厳然と切り離されていなければ、小説にはならない。
 一人の人間の経験というのは膨大だから、小説に必要なものだけを切り取ってあとを切り捨てるという作業は案外に難しい。
 この作では成功している。意外と苦労して書いたかもしれない。
 ただ、経験を書いた小説は成功しやすいが、経験していないことに挑戦するのは困難で失敗しやすい。そこが評価者にとっても微妙なところかもしれない。
 強弱はあってもすべての子供が持っているだろう競争心が印象的だ。
 これぞ資本主義の原動力と言ってもよいのだが、またこれを否定するところに人間の存在はありえないというのも事実である。
 時代の雰囲気もよく書けている。これはいつの時代を書くにも必要なことだろう。
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