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「はだしのゲン」

 松江教育委員会が残酷場面を口実にこの漫画を学校図書館で閉架措置にした。口実だということは見え透いている。右翼の脅迫に負けたのだ。
 これに関連して、古本屋通信さんがかつて日本軍の虐殺写真を捨てたと書いていることの間違いを指摘せねばならない。
 直接体験者、目撃者が次々亡くなっていく中で、写真は貴重な証拠である。
 日本軍の虐殺も天皇の戦争責任もなかったことにしようとしている者たちを論難する上でも、また、大部分の判断つきかねている人々を説得する上でも、写真は決定的な証拠となっただろう。
 この問題はずっと続いていく。写真は永久保存されるべきだったのだ。

 この漫画をぼくはほとんど読んだと思うが、何冊か抜けていたかもしれない。子供たちには(そしていまでは孫たちにも)大人気で、手元にある本はボロボロになっている。
 面白いのだ。それは悲惨な状況下にもかかわらず、子供たちが明るく活発で、しばしば漫画的な破天荒さで困難を乗り越えていくからだ。
 漫画という表現手段をよく心得ているというべきだろう。
 読んだ限りでは子供たちの眼に触れさせたくないような残酷場面はなかった。

 しかし事実関係の異論に対しては、漫画で答えることはできない。そんな事実はなかったと言われれば漫画は非力である。
 ぼくだって経験者でも目撃者でもない。その種の資料を読みこんだこともない。ただ永年にわたって新聞に載った経験談や目撃談を総合的に判断して結論を出しているにすぎない。
 そして当事者たちが死んでいき、これからますます死んでいってしまう中で、将来を見据えるならば、一級資料を紛失するということはあってはならないのだ。
 とりわけ一部の意図的隠蔽者たちを包囲するには、判断つきかねている多数者を説得し味方につけることが不可欠であり、それを可能にするのは一次資料だ。

 右翼の脅迫は怖い。彼らがしばしばテロに訴えてきた歴史を知っているからだ。彼らは言論をテロで封じようとする。こうして言論界にはタブーが生まれる。彼らにとって残酷場面などどうでもよい。ただ日本軍や天皇の真の姿を知られたくないだけだ。
 そして教育委員会はそれがわかっていながら、脅迫に負ける。ただ負けたと言いたくないので、残酷場面という口実を考えだす。
 こうして社会が次々とテロに屈していけば、行き着く果ては見えている。
 松江教育委員会を許してはならない。
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