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「ペスト」を読み始めた

 ようやく「ペスト」にとりかかった。昼間、窓際に椅子を持っていって読めば、読める。夜、天井灯の明かりで読もうとしたのが間違いだった。生きるということは残酷なものだ。時間は容赦なく確実に過ぎていき、人は必ず年をとる。文庫本が読めなくなる日が来ようとは夢にも思わなかった。だが、現実だ。
「異邦人」は何度も読み返したが、「ペスト」は50年前に一度読んだきりだ。いや、2冊あるところを見ると、二度読んだのかもしれない。ともかく細かいところはすっかり忘れている。
 活字の、小さい「つ」も「や、ゆ、よ」もすべて大きい。途中で気づいて驚いた。昔は気にせずに読んだように思う。送り仮名はもちろん全部昔風だ。そのうえに難しい漢字がやたらと多い。画数が多いと読めないので、適当に意味で読んでいる。昔もそうしていたような気もする。
 いまさらだが、うまさに驚く。昔は物語を追うのに夢中で、うまいか下手かなんて考えなかった。いまは、そのうまさにため息が出る。つまりその技術レベルの高さだ。とうてい、ぼくなんかの書ける小説ではない。文学的うまさというのは、翻訳小説の場合、文章の良し悪しではない。翻訳だから文章はわからない。そうではなくて、何を書いて、何は書かないかという取捨選択なのだ。オランの街の描写から始まる。この時点でもうもろ手を挙げて降参だ。うまいとしか言いようがない。
 自分がいかに無駄に年を食って来たかを痛感する。
 いまは名作を味わえる幸せを喜んで、満足すべきときかもしれない。
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