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矢嶋直武「ノッティンガムの少女」(「民主文学」20年4月号)

 みなさんに、ぜひ読んでいただきたい作品。小説としても素晴らしい(ラストに多少構成上の難あり)が、演劇授業という耳慣れないものについて的確な知識を与えてくれる。
 部活動としての演劇ではない。授業としての演劇なのだ。世界中の学校でやっているのに、日本ではほとんど皆無に近いのだそうだ。
 作者は日本の高校でそういうことを始めたパイオニアである。作品はフィクションだが、演劇授業に関することは実体験に基づいている。
 主人公は国語の教師だったが、演劇授業の非常勤講師が高齢でやめた後、ピンチヒッターとして、国語との掛け持ちで受け持つ。演劇はもともと好きだったが、授業と部活動との違いを知らなかった。部活動のつもりでやってしまって、生徒の関心を喚び起こすことができずに挫折を繰り返す。台本を作り、セリフを覚えさせようとするが、生徒は乗ってこない。それは部活動としての演劇=シアターであった。授業はシアターではない。ドラマでなければならない。台本は作らない。すべて即興で、生徒がしゃべりたいようにしゃべらせる。すると生徒が生き生きしてくる。
 苦心惨憺の末に自分で見出した方法、だが、イギリスの演劇授業に関する専門の本を読むと、自分で編み出したことと同じことが書いてあった。
 作者がそういうことをやってきた人だということは聞いていたが、具体的にその内容について知ったのは初めてで、強い関心を持たされた。日本の学校に欠けているのはこれではないか。これは高校と言わず、小学校からやるべきことだ。不毛な道徳教育なんかよりずっと役に立つだろう。
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145:民主文学4月号の3短編 by 民主文学の読者 on 2020/03/09 at 13:12:38

日本の教育はJIS規格のよう画一的といえる。小学からチャレンジテスト(アプリ)で地方性も学校独自性も無視で、入学時には全国統一テストで想像性もない。結果、不登校、イジメ、自殺が蔓延し、その環境、不満のまま大人になると、一部は反社会的な存在になったりする。中年ひきこもり60万人。また障害者施設大量殺人、我が子殺し、煽り運転死亡事故など、小説の材料には事欠かないかもしれないがイギリスは教育の先端をいっているのが分かる新鮮な小説であった。他の2編も「次の展開が気になる」とても読みやすく、テンポの良い短編と感じた。

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