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細川重男「執権」 講談社学術文庫 2019年

 数十年ぶりに歴史書を手にした。もともとは文学よりも歴史のほうが好きだったのだが、途中で道がねじれてしまった。70年ころに、一般向きの歴史解説書を多少読んだが、古代史が中心で、頼朝の勝利のあたりで止まってしまった。その後いつ頃だったか、蒙古襲来との関係で、時宗については少し読んだ。そのあと何も読まなかった。
 久しぶりに読むと、やはり自分は歴史が好きなのだということを思い出した。著者は62年生まれ、たいへん愉快な人である。面白く読ませる。笑いながら読む感じ。
 義時と時宗を中心に、執権政治とは何であるかということを追及している。
 その前段に政子の話があり、頼朝との夫婦喧嘩の顛末(権力者夫婦の喧嘩はただでは済まない)、そして承久の乱にさいしての政子のアジテーションを受けて、たった20騎で鎌倉を出発した泰時の軍が京都になだれ込んだ時には19万騎にふくれあがり、天皇を退位させて、元天皇3名まで雁首並べて島流しにしてしまった。
 痛快なるかな。時代はすでに移っていたのだ。京都にはその自覚がなかった。
 しかし、関東の田舎で一から始めた政権構築は決して順調にはいかない。
 著者は現存する不満足な資料をたたき台に、時代の生身の姿を浮かび上がらせようとする。もちろん一般向きの本なので、検証が厳密ではない。我々でも読めるように端折っているから、ちょっと簡単に断言しすぎじゃないか、と思わせるところも多々ある。そこはしかたがない。これ以上学問的に書かれたら、とても読めなくなってしまう。
 こういう本が我々にはちょうど良い。少なくとも、空想力だけででっち上げた全部嘘の歴史小説ではない。学問的仮説というのはあくまでも仮説だが、それでもやはり学問的仮説なのであって、小説家のウソとは違う。
 永年、時間を無駄にしてきたことを今になって後悔するが、楽しみを老後に残しておいたのだと思って、今後少しずつ読んでいくとしよう。
 と、言っても、もう「まがね」62号にとりかからねばならない。どんどん時間が無くなっている。
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