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「異邦人」と「もうひとつの異邦人」

 ずっと抱えていた諸々にいちおう一区切りついたので、「異邦人」を読み直した。若い頃に何度か読んだが、最後に読んでから40年以上になる。土曜日に「まがね」で取り上げるので、久しぶりに手にした。
 むかしは少しでも小説に興味を持っている人で「異邦人」を読んでいない人を見つけるのは難しかったが、いまの人はわりと読んでいない。どういう感想が出るか、まったく予期できない。
 いま読んでもやはり名作だ。何百年経っても残る名作だと思うのだが、どうだろう。
 何度読んでも謎の残る作品である。よくわかるように完全に説明しろといわれても出来ない。
 たぶん、パートごとに分けて理解するのが捉まえやすいと思う。
 第1部は、葬儀の場面と、そのあとの展開とに分ける。第2部は三つに分ける。裁判と、刑務所生活と、そしてラストの司祭との対決だ。
 それぞれの場面に、何百枚も書いて説明しなければならないような内容が、それぞれ、別々に詰め込まれている。非常に凝縮された作品である。400字詰めに換算して、たぶん300枚くらいしかない。薄っぺらな文庫本一冊だ。
 今回、特に印象深かったのは、主人公の出会う人々、目にする風景、あるいは思い出のなかのそれらが、まことにきめ細かく丹念に書き込まれていること。その点では文学の伝統をきちんと受け継いでいる。これが小説だと思う。小説にはこういう細部のリアリテイが必要だ。われわれはこれがなかなかできないから小説にならない。
 じつは「異邦人」で、ひとつだけずっと引っ掛かっていたことがあった。
 ここに書かれているのは、フランス帝国主義の側の人間が、その支配地のもともとの住民を撃ち殺すという話である。アルジェリア人の側から読んだら、これはどういう話になるのか。
 50年来のこの引っ掛かりに解答を与える本がどうやら翻訳出版された。
「もうひとつの異邦人 ムルソー再捜査」カメル・ダーウド 水声社 2200円。いまからこれにかかる。
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