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「検察側の証人」 続き

 クリスチーネは(原作ではロメインだが)一人二役を演じる。映画で気になったのは、これをどう処理するのかということだった。小説ではなんでもないことだ。薄暗い部屋に弁護士を招じ入れて、腰の曲がった、ぼさぼさ頭の、スカーフで顔の輪郭を隠している年寄り女、下品な言葉使い、貧しく、散らかった部屋、などを書いておいて、この女がもともと女優だったのだと示唆するだけでいい。
 ところが映画ではそう簡単ではない。同じ女優だということが観客に簡単にばれては面白くないし、さりとて全然違う人間でも興ざめだろう。結末を納得させねばならない。
 テレビドラマのほうは、女はカーテンの向こうにいて、まったく顔を見せなかった。こんな安直なやり方ではがっかりだ。
 映画は同じ女優か、違う女優かと一生懸命見たのだが、なにしろ西洋人の顔を見慣れないので、よくわからない。こういうとき外国映画は不利だなと思う。日本人の顔ならもっと違う感触だっただろう。
 しかし、たぶん別人だ。と思うが、わからない。

 小説は最後の、弁護士と女との面会場面が最もスリリングなのだが、映画は二つとも結末を変えたので、面白くなかった。俗な結末になった。
 ただ、今度の映画が優れていた点がふたつあって、ひとつは法廷場面だ。昨日も書いたが、これは見ごたえがあった。頼りないように見えた弁護士が堂々と検事をやっつける、その変身ぶりは胸がすくようだ。いまひとつは、この弁護士と付き添い看護婦とのやりとりで、そのコミカルぶりがとてもしゃれていて、楽しめる。この二人は実生活では夫婦なのだそうだ。その家庭と法廷とのコントラストが見事だった。
 原作は邦字にして70枚くらいの作品である。クリスティの代表作のひとつだろう。小説を書いた後、本人が戯曲に書きなおして上演されたそうだ。それを観てみたい。
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