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「犬を連れた奥さん」

「犬を連れた奥さん」をやっと読んだ。「やっと」と言うのは、昔からずっと読もう読もうと思っていて、どういうわけか読みそこなっていたからだ。
 今回手にしたのは、「かわいい女」ほか何作か入っている短編集で、新潮文庫の77年ものだ。小笠原豊樹の訳。ぼくが「かわいい女」を読んだのは60年代のことで、湯浅芳子の訳で読んだから、別の本だ。いま探したら、岩波文庫69年の「可愛い女・犬を連れた奥さん」が出て来たが、神西清の訳だった。岩波文庫で、湯浅芳子訳が二冊出て来たが、「ヴァーニャ伯父」と「退屈な話」だ。どうも記憶違いらしい。
「可愛い女」と「退屈な話」とはわりと若いときに読み、たいへん好きな作品だった。「かもめ」と少し遅れて読んだ「三人姉妹」も好きだった。「桜の園」はたぶん中学生くらいで手にして、さっぱり分からなかった。のちに読み返したら、なるほどすごい作品だと思ったが、若い男女が希望を語るところがなんだか民青のセリフみたいで、浮いている感じがした。「ヴァーニャ伯父」もたぶん一度くらいは読んだと思うのだが、印象に残っていない。
 昔チエホフ全集の第1巻を買って、彼の医学生時代に学資と生活費を稼ぐアルバイトとして書いていた短編小説をたくさん読んだ。いずれも若書きのどうってことのない作品で、なかには探偵小説もあったのが目を引いた。
「犬を連れた奥さん」も読んだことがあるのかもしれない。よくわからない。ぼくが想像していた内容とかなり違う。もっとさらっとした小説だと思っていた。たしかにさらっと始まる。妻子ある40男が、やはり夫のある若い女を誘惑する。退屈まぎれの誘惑で、この男はずっとそんなことを繰り返してきたのだ。ところが女を忘れられなくなってしまう。女の方もそうなる。おたがい本気になってしまう。男は恋というものはいつか終わるものだと悟っている。だが、「終りまではまだまだ遠く、最も入り組んだむずかしいところは今ようやく始まったばかりなのだった」というところで小説は終わる。あとは読者が好きなように作ってくれという感じ。なるほど、これが短編小説というものだろう。
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