「幽霊」へのコメント BY ぼたこ
批評 - 2019年03月11日 (月)
先日、「幽霊」を読ませて頂き、拍手が精一杯だった者です。
さて、「幽霊」についてですが、物語の中には、平坦で、切れ目のない、湿度を持った時間の流れと、ぼんやりとした空気を感じます。それは、私の想像する主人公の「私」がそう感じさせているのかもしれません。「私」は異郷で暮らし、祖母の葬儀に間に合わなかった。長く会っていなかったので、逝ってしまった実感がない。だけど、それは事実だ。かと言って、「私」は自分が生きているという実感もない。「死」があることも知っているけれど、まだそれは、ぼんやりとしている。そして、自分が生きていることも、自分の未来もぼんやりとしている……そんな「私」の若さ、危うさがあるからではないかと思います。私自身、若い時の「過去」はずっと昔で、「未来」はずっと先で、すべてがぼんやりしていたと感じるのです。ましてや「死」は不思議な感覚で、自分が死ぬことなど想像できずにいました。
そして、時間の流れ方、早さは変わっていくものだと、だから、自分の中の時計を時々のぞいてみようと思うのです。「私」が眠る前に見たゴッホの絵は、何だったのですか。まとまりのないコメントお許しください。
さて、「幽霊」についてですが、物語の中には、平坦で、切れ目のない、湿度を持った時間の流れと、ぼんやりとした空気を感じます。それは、私の想像する主人公の「私」がそう感じさせているのかもしれません。「私」は異郷で暮らし、祖母の葬儀に間に合わなかった。長く会っていなかったので、逝ってしまった実感がない。だけど、それは事実だ。かと言って、「私」は自分が生きているという実感もない。「死」があることも知っているけれど、まだそれは、ぼんやりとしている。そして、自分が生きていることも、自分の未来もぼんやりとしている……そんな「私」の若さ、危うさがあるからではないかと思います。私自身、若い時の「過去」はずっと昔で、「未来」はずっと先で、すべてがぼんやりしていたと感じるのです。ましてや「死」は不思議な感覚で、自分が死ぬことなど想像できずにいました。
そして、時間の流れ方、早さは変わっていくものだと、だから、自分の中の時計を時々のぞいてみようと思うのです。「私」が眠る前に見たゴッホの絵は、何だったのですか。まとまりのないコメントお許しください。
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