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石崎文と平松氏の反論 Ⅲ

III.  情報産業

「例えば30年前で世界の企業の株価時価総額を比べると、トップ10入りした米国企業はエクソン・モービルなど2社ほど。NTTや大手銀行など日本企業が8割方を占めていた。中国は改革開放が始まったばかりで影も形もありませんでした」
「これが今では、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンという『GAFA』と、アリババ、テンセントなど米中のネット系が上位を占め、モノづくりの企業はほとんどない。日本はトヨタ自動車が40数位で、そこまで差がついた」
(経済同友会代表幹事 小林喜光 朝日新聞1月30日)

 このインタビュー記事にも示されているとおり、情報産業はいまや製造業産業をはるかに凌駕した。
 著者の論の前提となる第一の指摘はまさにそのとおりである。
 そこから著者は生産される情報財の性質を述べていく。
① 生産者の頭の中で生産される。
② モノに転化しない。⇒モノの構成要素として、モノの効用の一端を担う。
③ 消費しても減らない。
④ 無限に消費できる。
⑤ 結果として低コストである。

 そこから著者が導き出す想定。
① 労働の性質が変化する。
② 商品価値を労働時間では計測できない。新しい方法が必要。
③ 資本主義的所有の概念が崩壊する。
⇒上記は情報財の超歴史的性質で資本主義の中ではこれがそのままは実現しない
機械は労働を軽減することが出来るが、資本主義の中では労働強化をもたらす、と同じ
むしろ情報生産は下部構造として上部構造たる資本主義を変容させる力として作動する。
情報生産は資本主義の中では資本の利潤追求の手段として徹底的に利用される。
このことはサンデルの「それをお金で買いますか」で語られている。


 さてそこで、われわれは、いったん紙の世界から目を離して、現実世界を先入観なしに眺めてみよう。
 さっき引用した、経済同友会代表幹事のインタビューがその現実を如実に語っている。
 情報は独占され、独占したものに巨万の富を与えている。これが現実である。
⇒先入観をもって眺めた方がいい場合もある。
例えば階級認識をもって現実を眺めると見えてくるものがある、しかし階級意識で覆われて見えてなくなるものもあるけれど、、。


 資本主義的所有の概念は崩壊したか。それがどのような所有を意味するかは措くとして、資産の所有については、格差は人類史上かつてないほどに拡大した。
⇒本来は所有に物理的基盤を持たない情報財に対してこれを資本主義的所有の枠内に留めようとする様々な工夫が様々な制度/政策として施されている。

 なぜ現実と著者の想定とが食い違うのか、この解答を求めて、われわれは著者の叙述を少し詳しく追っていくとしよう。
⇒この食い違いはマルクスの前史/本史の歴史認識と同じ。現実は前史にあって、つまり資本主義の枠内で、資本主義の枠を打ち破る本史に向かう原動力として①~③は働いている。
つまり情報を生産する生産力と資本主義的生産関係の矛盾、現実資本主義を変革する力である。

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