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「樹宴」14号、目取真俊

 メールが何とか機能し始めたようなので、「樹宴」14号を発注した。7月11日に届く。ところが今が5月だと勘違いしていて、ずいぶん先だなと思ったら、何のことはないすでに6月19日である。
 一ヶ月も間違ったのは初めてだ。人の名前は次々忘れるし、日本語が出てこないことが頻繁にある。これがいちばんいらいらする。
「こういうことを表現する言葉があった」と思うのにそれが出てこない。その言葉が出てこないあいだ、「こういうこと」というのがどういうことなのか、あいまいではっきりしない。考えるほどわからなくなり、その言葉が出てこないので、書きかけた文章が先に進まない。しまいに諦めて中断する。そして生活する。すると何かのはずみでふとその「ことば」が出てくる。「ことば」が出てくると、自分が何を言いたかったのかということがやっとわかる。
 目取真俊「水滴」「風音」「オキナワン・ブック・レビュー」三作読んだ。「まがね」の来月例会課題作である。「民主文学」6月号で、尾西康充が取り上げたことがきっかけになった。尾西氏の評中、一箇所ミスがある。「風音」の主人公の名前を、「当山清裕」としている。「清裕」は「水滴」の登場人物の名前である。「風音」のほうは「清吉」が正しい。
 尾西氏の評はずいぶん学者的だなと思ったら、やはり学者だった。国文学の教授である。さまざまな目取真評を引用して、それに対置する形で自説を述べる。いろんな人が目取真俊を論じているので驚いた。ぼくはこの作家を知らなかった。ネットで見ると、どこかの教授が目取真をぜひ英訳してもらいたいと思って、シカゴ大学での日本文学研究者の集まりに本を持参したら、そこに集まった人々はとっくに目取真を知っていて、すでに翻訳にかかっているのだそうだ。
 作品はたいへん面白い。面白いし、考えさせられる。これもいま読まれるべき作品群だ。ただし、「オキナワン・ブック・レビュー」は、ネットではこれが最高傑作という評もあったが、ぼくのセンスには少し合わない。「水滴」と「風音」がいい。
 書く立場から言うと、やはり叙述が具体的で、細部の描写が丁寧だ。素人作家の悪い所はストーリーを書くのに一生懸命で、場面場面の描写、人物の描写がおろそかになるということだろう。骨だけを書いて肉も皮膚も書かないのだ。読ませる作品というのは、肉と皮膚とをしっかり書いている。あと、ストーリーを一本だけにしない。一本のストーリーから派生してもう一つストーリーが出てくる。これによって作品が複合的になり、単調さから救われる。登場人物も複合的になり、書かれている事柄も複合的になる。
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