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大石敏和「お赤飯」

 1957年の中学3年生の男の子の話。これも作者自身ではないかと推測する。43年生まれくらいだろうか。長崎県である。
 長崎市内から、母と娘が隣に引っ越してくる。娘は同級生だ。父親は原爆で死んだ。その勤務先だった会社の社長が、妻と娘を原爆で失い、この母娘に心を寄せる。金銭的援助だけではなく、母親との間に肉体的関係もできたようで、彼が訪ねてくると娘は隣家に来て、彼が過ぎ去るのを待つ。娘は彼に良い感情を持っていない。
 彼女の背中にはケロイドがあり、人に知られるのを極度に恐れている。だから修学旅行にも行かない。
 ある日彼女に遅い初潮が来る。ちょうど母親が長崎へ行っている日だったので、男の子の母親と男の子とその妹と、三人でお祝いしてあげる。
 よい話だ。よい話すぎる気もするが、そういう話もあっていいだろう。児童文学的なタッチである。どこでそう感じるのか。主要人物二人が中学生ということもある。だがそれだけではあるまい。主として感じるのは会話だ。会話が児童文学的だと感じる。お約束どおりの、破綻のない会話とでも言おうか。なんだかメルヘンタッチだと感じてしまう。
 でも、それもありだろう。女の子の痛々しい気持ちも伝わってくるし、女の子のことや大人のことがまだ理解できないでいる中学生の坊やの素直で初々しい様子も目に浮かぶ。作品に嫌みがなく、暗さもなく、すがすがしく、楽しんで読める。
 これもありなのだ。
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