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水生大海「ひよっこ社労士のヒナコ」

 町内会の仕事も山積しているのだが、寒いので出歩くのが嫌になって、「なるようにしかならない」とあきらめて、「民主文学」の最新号を読んでいる。

 北村隆志「文芸時評」
 批評家として当然ではあるのだが、この人も守備範囲が広い。エンタメ小説に近年「お仕事小説」というのが流行り出して、これがけっこう楽しめて、しかもためになるというのだ。
 水生大海の「ひよっこ社労士のヒナコ」を挙げている。(みずきひろみと打ち込んで変換を押したら一発でヒットした)。
 この人は「福山ミステリー文学新人賞」の第1回優秀作になった人である。
 優秀作というのはこの賞の場合、選外佳作である。受賞作がほかにあり、それには漏れたが優秀であるという意味だ。
 選考経過が面白い。下読みをボランティアがやるのだが、ボランティアの女性たちが「こんな話は少女漫画やライトノベルでさんざん読んだ」として撥ねてしまったものを、少女漫画もライトノベルも読んだことのないおっさん編集者が読んで「少女たちの気持ちが良く書かれている」と感動して、自分の出版社から出すことにした。それで「佳作」では宣伝効果が落ちるので、「優秀作」にした。それが第1回だったので、以後もずっと佳作が優秀作扱いとなったのだ。
「少女たちの羅針盤」という作品である。すぐに映画化された。福山でロケした。ぼくも観に行ったが、正直言ってつまらなかった。お客もちらほらで、おばさんが多く、「ほらあれはあそこよ」というロケ地の指摘でのみ盛り上がっていた。
「福ミス」作品は受賞作も優秀作もほとんど読んだ。全部で20冊近い。大部分が8百枚の制限ギリギリまで書いているから、読みごたえはある。すぐれた作品も多かった。だが、すでにお齢の受賞者はやはり一発屋であとが続かなかったようだ(たぶん)。
 若い人は次々と書いている。なかでも知念実希人はヒットメーカーになった。医者だったと思う。その知識を生かしたミステリーを書いている(のじゃないかな)。
「羅針盤」は短い(といっても350枚の制限は超えている。これに一枚でも足らなければ読まずに廃却される)。
 水生大海はもともと少女漫画家で、この作品も少女漫画から絵をとり除いたという感じ、いわゆるライトノベルで、ぼくらの世代にはまるで面白くなくて読みにくいのだが、感動した編集者はもっと若かったのだろう。
 いずれにせよ、それがきっかけで次々本を出し、ついに北村隆志の目に触れるところまで行ってしまった。
 登場人物が良く書けていて、ストーリーがミステリータッチで面白く、その上に労働関係の法知識が満載、面白くてためになるそうだ。(ぼくはまだ読めていない)。
 彼女も福ミスが生んだ異才だったのだろう。
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