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虫はなぜ灯に集まるか

「自転車の力学」に二人の方からコメントをいただいたので、似たような話をもうひとつ。
「虫はなぜ灯に集まるのか」という問題である。
 これも子供のころから気になっていた。いろんな問題が気になる子供だったのだが、気になりながら誰かに聞いてみようとか、図書館で調べようとか、そんな気も起こさず、ときたま気にはなっても次の瞬間にはもう忘れている、という感じで、だから学者にはなれなかったのだろう。
 灯に集まるのは夜活動する虫である。つまり明かりを嫌う虫だ。それがなぜ明かりに寄って来るのか、矛盾しているではないか。
 この問題は何十年も前に解答を得た。ぼくはテレビも観ずラジオも聴かない人間だが、仕事の行き帰りには、(カーステレオのない車だったので)ラジオを聴いていた。夏休みになると、「子ども電話相談室」が始まる。これがなかなか面白いのだ。子供たちは大人が気が付かないようなことに気が付く。
 ぼくの永年の疑問も子供から質問が寄せられ、学者が答えて簡単に解決した。数十年前である。
「自転車の力学」を書いた後でふとこの問題が気になり、ネットを見た。やはり疑問を持って訊いている人がいる。ところが相変わらずネットというところは馬鹿な人間の集まるところで(ぼくもその一人のわけだが)、とんちんかんな答えが多い。「虫が集まるの、あれ気持ち悪いよねえ」「こないだ変な虫がいました」てんで答えにもなっていない。
 だんだん読んでいくと、「それは虫の本能なのです。答えはありません」などと平気で書いている。万物の創造者たる神様の名誉のために言っておくが、神様は動物たちにあてずっぽうに本能を与えたりはしなかった。本能というものは生きていく必要のために与えられているのであって、理由のない本能などひとつもない。
 夜活動する生き物は明かりが嫌いなのであって、明かりの嫌いな生き物に明かりに集まる本能などあるわけがない。だから疑問が生まれ、だから質問する人がいる。その一方で疑問を持つこともなく、平気な人もいるのだ。
 もちろん、丁寧に解き明かしてくれる人が必ず一人はいる。
 虫たちの多くが夜活動するのは、鳥に捕食されるのを防ぐためである。ところで彼らは暗い中でどうやって方向を定めるのか。虫といえどもただあてずっぽうに飛んでいるわけではない。自然界の夜には、月明かりがある。月は地上に生きるものからすれば、無限の彼方の存在だから、一晩の生活時間のなかでは、同じ方向にある。つまり羅針盤である。月を目当てに飛んでいけば道を間違うことはない。
 ところで、虫は恐竜のいたころからいるわけで、そのころに彼らの本能は成立した。そこに人間がほんのちょっとまえ出現し、人工の明かりを作り出した。この明かりは地上の明かりで、距離的に近いから、虫が飛ぶにつれて方向を変えてしまう。虫たちはそんなことを知らない。人の作った明かりも永遠の彼方にある明かりだと思って、その明かりとの角度を変えないようにすることで自らの方向を守ろうとする。その結果はどうなるか。虫は明かりのまわりをぐるぐる回ることになってしまう。そしてぐるぐる回っているうちにだんだん明かりに近づき、ついに明かりに飛び込んでしまうのだ。
 ひょっとしたらこの解答は十全の解答ではないかもしれない。ほかにも理由があるかもしれない。
 だがいずれにせよ、本能だから理由がないなどと考えることはまったく間違っている。本能には必ず理由がある。
 にもかかわらず、ぼくの見たサイトは、せっかく正解と思われるものを載せながら、最後に、「まとめ――虫が灯に集まるのは本能による行動なので理由はない」と書いている。開いた口が塞がらないとはこのことだ。なるほどこれが悪名高い「まとめサイト」というやつか。このサイトの管理人にとって、真実は多数決で決まるのだろう。目の前に真実らしきものを目にしても彼らの心は動かない。「理由はない」という解答が多かったので、理由はないのだ!
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