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「私は天皇主義者になった」

 かなり日数が経ってしまったが、内田樹がついに「私は天皇主義者になった」と右翼雑誌に書いたそうだ。雑誌を読まずに朝日の紹介記事だけだが、以下のようなことを語っていた。この間の退位問題をめぐる諸氏の発言のなかで、右翼の一部が次のように言ったことが内田氏を驚かせた。
「天皇はうろちょろせずに、宮中の奥深くでじっと祈りを捧げていればよい。余分なことをするからくたびれるのだ」
 じつはぼくもこの発言を新聞で読んだとき驚いた。右翼は天皇を尊敬しているのだとばかり思っていた。そうではなかったのだ。右翼が好きなのは天皇制という制度だけである。そこに座っているのがどんな人間だろうが、彼らには関心がない。それどころかたぶんいまの明仁美智子夫妻を嫌っている。
 もちろん右翼のすべてがそうだというわけではないが、どうも多かれ少なかれそういう傾向が右翼にありそうだということが、ぼくにとっても、内田氏にとっても驚きの発見だったのだ。
 一方で、明仁美智子夫妻が、広く国民から愛されているという事実がある。彼らは必ずしも天皇制を愛しているわけではない。夫妻を人間として愛しているのだ。その人々は決して右翼的な体質の人々ではない。夫妻はむしろ左翼的な人々から敬愛されていると言ってもよい。
 政権が右翼的世論の支持を得て右翼的方向へ走ろうとしているなかで、ある意味天皇夫妻がブレーキになっているようなところがある。
 内田樹はそれを大胆に支持したのだ。
 もちろん朝日記者は疑問を呈した。「それは天皇の政治利用にならないか。危ういことではないのか」
 内田氏にとって、そういうことは当然思慮のうちである。しかし現実にいま天皇制をめぐるこういう世論の状況がある、これをないことにしてうやむやにしてしまうことの方が危険だろう、と彼は考えた。現実から出発しよう、そこから考えようというわけだ。
 ぼくにも朝日記者が表明したような危惧はある。だが理解はできる。天皇夫妻も人間だ。人間に対しては当然払うべき敬意がある。右翼は最低限それさえ払っていないように見える。
 ずいぶん昔のことになるが、NHK日曜日の将棋番組の米長邦雄のユーモアあふれる解説をぼくは好きだった。ところが石原慎太郎が彼を東京都の教育委員に任命すると、天皇と会ったおりに、「君が代日の丸を徹底していきたい」と発言した。ぼくはこの発言でいっぺんに米長を嫌いになったが、このときの天皇の回答は、「それは強制的な方法ではないほうがよいと思います」というものだった。この回答はぼくの記憶に残った。
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