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天皇退位私論

 政治学者、原武史が天皇退位にまつわる動きを批判している。憲法第4条で「国政に関する権能を有しない」とされているのに、明仁天皇がひとこと言うと政治が動いた。これはあきらかに憲法に違反している、と。きょうの朝日新聞である。
 原氏が言っているのは明仁は退位してはならないということではない。明仁の言葉で政治が動くのはおかしいということである。退位に関する法整備が必要なら、それは国会が自主的に行うべきであった。権能を有しないはずの人によって政治が動かされるのは危険であるということなのだ。
 <もし国民の誰かが「陛下ももうお年なのだから、そろそろ皇位を皇太子にお譲りになって引退されたら」などと言おうものなら、それこそ「身のほどをわきまえない無礼者」とのそしりを受けた><ところが、いったん天皇からその意思が示されるや、圧倒的多数の国民が受け入れました。これが天皇と国民との関係です。この点で、45年8月と現在は変わっていません>
 原氏の危惧はよくわかる。日本人の精神がいまだに天皇神話に縛られており、天皇の一言で政治が動きかねない(現に動いた)ことを危ぶんでいる。
 しかし、ぼくはこの問題では違う意見を持っている。
 この問題では、ぼくはしりあがり寿氏の見解を支持している。この問題が出たときしりあがり寿はただちに、「そうか、天皇には人権はなかったのか」と書いた。それがすべてだとぼくは思う。
 憲法14条は、「すべて国民は、法の下に平等であって……門地により……差別されない」と書いてある。22条には、「何人も……職業選択の自由を有する」。18条には、「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない……その意に反する苦役に服させられない」と書いてある。
 つまり、天皇をいつ辞めようとその人の勝手であって、これを強制する権利はいかなる権力も持っていない。
 もちろん憲法2条が「皇位は、世襲のものであって」と書いた時点で、14条と矛盾してしまっているのだが、だが、皇室典範に書いてあるのは皇位継承の順序だけであって、皇位を拒否することができないとも、天皇は辞めることができないとも書いてない。
 つまりいまさら、天皇退位法など作る必要はない。誰にでも職業を辞める権利はいつなんときでもある。そして天皇も実質上ひとつの職業であって、それ以上のなにものでもない。
 そしてこれを否定するとしたら、天皇は日本国民ではないのだ、だから憲法は適用されないし、人権は存在しないのだ、という結論に導かれる。
 しかし、人権とは単なる法律上のものではないだろう。それは法律以前に自然法として、すべての人間に与えられているものだ。この自然法に反する法律が存在するとしたら、その法律が間違っているのである。
 その点、「皇位は世襲のものであって」という条項は限りなく怪しいが、だが、天皇の退位を否定する条項がどこにもない以上、明仁は自らの意思で天皇を辞めることができる。それはいささかも国政に関することではない。何故なら天皇は国政に関与しないのだから、国政に関与しない人間が国政に関与しない地位から降りることが国政に関与するはずがないのである。
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