プロフィール

まがねとおる

Author:まがねとおる
FC2ブログへようこそ!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

FC2カウンター

カテゴリ

リンク

RSS

2015年06月のエントリー一覧

  • 北島去男さんへ

     コメントありがとうございました。7月4日、朝日新聞備後欄読ませていただきます。...

  • プロかアマか

    「一愛読者」という方から非公開コメントをいただきました。ぼくの拙い作品批評に目を通して下さっているようで、恐縮です。「民主文学」の作家たちをぼくが誉めすぎているように思えるが、その作家たちをどのあたりに位置づけて書いているのかというご質問ですが、じつは自分でもよく分かりません。ぼくはもともと読書量は多くないのです。とても怠けた人生を送ってきたと思います。古今東西の名作も若いときからずっと気になりな...

  • 植物戦争

     我が家の小さな庭にはびこり続けて、常にジャングルを形成せしめている植物たちとの終わりなき戦争を、来る日も来る日も戦い続けていると、いまの人たちが家の周りをコンクリートで固めて駐車場に限定し、決していささかの土をも残すまいとしているのは賢明なことだと分かる。それに古来人類がジャングルを切り開いて畑や田んぼや牧草地を作ってきたその営々たる営みにも尊崇の念が湧かずにはいられない。まさに人類史とは植物と...

  • 一田和樹「檻の中の少女」(原書房2011年)

     作家というものは、何故、しばしば自作をわざわざ駄目にしてしまうのだろうか。「福ミス」第3回優秀賞作品。受賞作ではなく、優秀賞である。(とても紛らわしい賞名なのだが)。この人の本名はおそらく和田一樹だろう。(違っていたらごめんなさい)。 エピローグの手前まで、完璧な小説なのだ。「福ミス」を読むのは5作目だが、文句なしにこれがいちばん面白かった。ラストが少しダレた。すごい規模の事件を期待させておいて...

  • 「古本屋通信記事にびっくり」デボーリンの墓守

     デボーリン氏の要望により、以下のコメントを本文に移します。「古本屋通信記事にびっくり」デボーリンの墓守 日本での生活が56年になるコラレスさんは取材に対し、新たな安全保障法制の関連法案について「たくさんの憲法学者や国民が『憲法違反』と声をあげているのに、政権がまったく聞こうとしないという事態は異常だ。 憲法9条は日本だけのものじゃない。世界の、人類の宝だと思う」 下の古本屋通信記事を読んで非常に驚...

  • にしうら妙子「鳩時計」(民主文学15年4月号)

     全体にセンテンスが長く、読点でずらずらと続いていくので、そういう読みにくさがある。意味をとるためにところどころ立ち止まることを余儀なくされるというふうな。だが、読んでいるうちにそれもあまり気にならなくなった。そういう文体だと思って読めばそれもひとつの味わいかも知れない。 ただ冒頭の違和感は解消されなかった。「もしかすると、また雨が降り出すかもしれない」この一文は書き出しとしてなかなか良い。簡潔で...

  • 矢嶋直武「犬と鈴と老人」(民主文学15年4月号)

     70才。末尾に作者紹介があるということは「民主文学」初登場なのだが、すでに文体の出来上がっている人である。内容も感動的だ。 時は現代。語り手の「ぼく」はたぶん23才くらい。でもあえて現代風の語りにしようとはしない。慣れ親しんだ日本語だ。いまの23才が読めば違和感があるかもしれないが、ぼくらにはちょうどいい。「ぼく」は「高村」という老人と知りあう。70才。元高校教師、60才から青島と大連の大学で2年ずつ日本...

  • 佐田暢子「水天の月」(民主文学15年4月号)

     とんでもない小説である。 人工呼吸器と胃瘻を着けた回復の見込みのない母親を、自らも老いに差しかかっている娘が一年以上にわたって自宅で介護する。それはいいが、何がとんでもないかというと、器械を二つ着けたからといって器械任せにできるわけではない、この二つの器械はそれぞれ膨大な手作業を要求するのだ。アラームの鳴るつどの痰の吸い取りひとつにしても複雑な作業である。そのほか煩雑な作業がいっぱいある。作者は...

  • 若井香「日向」(ふくやま文学14号2002年)

     たぶん「若月香」の昔のペンネーム。「屋上と、犬と、ぼくたちと」の感想を書くときにうっかり書き漏らしたが、この人はぼくらのようなとしより向けの文章も書けるのに、若い読者のためにあえてそういう文章で書いたのだろうという気がしていた。あるいは「少女たち」の作者だってそうかもしれないのだが、この作者は特にそう感じた。10年前のこの作品を読むと、やはりそうだった。ぼくらにも読みやすい文章である。別れた恋人の...

  • 「民主文学」とミステリー

    「民主文学」の読者で、ミステリーを書いている方からコメントをもらいました。「民主文学」では風見梢太郎が好きだとおっしゃっています。風見梢太郎の原発小説は読ませる内容でぼくも好きです。「民主文学」をあまり熱心には読んでいないが、身辺雑記的私小説から抜け切れていないのではという感想を述べられています。これもかなり同意するところがあります。...

  • 若月香「屋上と、犬と、ぼくたちと」(光文社2014年)

     戸惑っている。どう書けばよいのかわからない。決して下手な作品ではない。文章はそれなりにできている。ただ親しんできた文章と違いすぎて戸惑うのだ。いままで読んできた小説が大人の小説とすればこれは子供の小説だというそんな感じ。もっとも、「少女たちの羅針盤」ほど漫画的ではない。「バイリンガル」と「羅針盤」の真ん中からかなり「羅針盤」の方に寄ったところ、そんな感じだろうか。 20才の青年男女たちが主人公だが...

  • 「民主文学」4月号5月号

    「民主文学」4月号5月号の批評をなぜ書かないかというコメントをいただきました。他意はまったくありません。福山ミステリーの応募作に追われており、読書する気持ちに全くなれなかった。それでその二冊は読めなかったのです。応募が終わった今気持の区切りがついたので、6月号から読み始めました。4月5月も読みます。読んだら書きます。もう少しお待ちください。⦅福ミスの今までの受賞作および優秀作(平たく言えば佳作)を...

  • 高橋篤子について

     高橋篤子で検索したら、同姓同名の他人何名かのほかに、ひとつは伊藤千代子関係のブログに寄せられた詩の作者として名前があった。これは作者本人と思われる。もうひとつはぼく自身がこのブログに2年前に書いた記事が出てきた。あまり誉めていない。構想も文章もよいが、構想と文章とがマッチしていないと書いている。13年9月号「二つの塑像」である。その批評が合っていたのか合っていなかったのか、作品を読み直さねばわから...

  • 高橋篤子「ウッナイ」(民主文学15年7月号)

     今月号で最も文学的な作品。というか、久しぶりに文学作品に接したという感じ。美しく、豊かな日本語世界がそこにある。読んでいて心地よい。何故なのだろうと考えたら、ひとつにはリズムなのだ。言葉が非常にいいリズムを刻んでいる。 タイトルでわかるとおり、アイヌの話である。この人のアイヌ話は前にも読んだ覚えがある。本人自身アイヌなのかと思ったら違った。和人だが、アイヌの多い地方に住んでいる。(これは視点人物...

  • 田上庫之介「くすり」(民主文学15年7月号)

     作者は70才だが、かなり意欲的、実験的な文体である。 もともと精神的に不安定でくすりが欠かせない農家の主婦正子に、地震と原発災害が襲いかかる。夫の父親は脳梗塞の後遺症で半身不随だ。三重苦ともいうべき状況である。娘は遠くに嫁いでいて助けにならない。夫は家にいるようなのだが、助けになるのかならないのか、このへんがちょっと書き込み不足だ。 非常に苦しい状況がこれでもかと書かれていて、眼を覆いたくなるよう...

  • 荒木雅子「モクレン通り」(民主文学15年7月号)

     養護学校高等部の話。重くなりがちな題材だが、書き方がうまいので軽快に読ませる。勉強にもなった。特に圭介が教師に負けない走りを見せて人々を驚かせ感心させる場面。喜ぶ奈緒に当の教師が言う。「あれでいいんですか。圭介はただ僕について走っただけですよ、泣きながら。いや、必死なのはいいです。速いのもいいですよ。だけど、彼にとっては僕についてくるのが義務だと思っていたんじゃないですか」「走るのを楽しいと思っ...

  • 芝田敏之「ぼくの父は」(民主文学15年7月号)

     児童文学のジャンルだろうが、面白く読んだ。良質の児童文学である。内容が甘すぎるという意見もあるかもしれないが、こういうものもあるべきだと思う。重い作品ばかりではページをめくりたくなくなる。心を軽やかにさわやかにしてくれる作品は必要だ。...

  • 仙洞田一彦「久しぶりの話」(民主文学15年7月号)

     この人はぼくと同年配と思うが、ここ何作かは、現代青年を主人公にして書こうとし、たいへん苦労してあまりうまくいってなかった。これは作者を責めるべきではない。やってみたらわかるが、簡単なことではないのだ。むしろその挑戦をよしとすべきだろう。やらねばならないことなのだ。半世紀昔の青年や、現代老人だけを書いていればよいのではない。 (漱石は40過ぎて書き始め、20才そこそこの三四郎を日露戦争後の時代において...

  • 「全学連書記局員」デボーリンの墓守

    雑文 - コメント(11) - トラックバック(0) - 2015/06/09

     デボーリンの墓守さんから久しぶりのコメントです。「吉良よし子」の記事に入りました。13年7月の懐かしい記事です。コメントは歓迎ですが、内容が共産党、民青、全学連などの人事問題で、ぼくは関心ありません。むしろ古本屋さんが喜びそうな内容です。で、ここに本文に移し、読者の便に供します。 「全学連書記局員」デボーリンの墓守 貴殿は以前「私はブルジョア議会主義者で、現在の日本共産党よりはるかに右だ」とおっし...

  • 高林さわ「バイリンガル」(光文社2013年)

     福ミス第5回(2012年)受賞作品。作者は女性だが、ぼくとほとんど同世代で、その文章にはやはり親近感がある。古き良き日本語だ。 非常に細密な描写をする。地理的なあるいは住居内の見取り図など、推理にそれほど必要もないのだが、丁寧に書き込む。しかしいくら書き込んでもこういうものは文章では伝わりにくいなあとつくづく思った。ぼくもかなり苦労して書いたが、それでもわかりにくいと言われて書きなおした。でもいま思...

  • 「誰がための刃」2

     夕べ書き洩らしたので、追加する。 この作品の主人公岬雄貴にとってのレゾン・デートルは、物語の進展につれて移り変わっていくが、最終的に帰着するのは、愛とその結果としての子供という平凡極まりない解答だ。だが、動物の一種族としてのヒトにとって、結局これは納得しうる結論であろう。ここに行き着くまでの雄貴の辛苦の物語であり、この結論を得て納得して死ぬ。 ただ、疑問が残るのは、ああいう状態(死期直前の病状と...

  • 知念実希人「誰がための刃 raison d'être」(講談社 2012年)

     福ミス第4回(2011年)受賞作品。作者は沖縄生まれだが、東京育ちのようだ。現役の医師である。受賞から3年ほどだが、すでに矢継ぎ早に何冊も本を出している。37才。 文句なしに楽しんで読んだ。こういう作品が相手ではぼくの小説はとても太刀打ちできない。完全にプロの作品だ。 推理小説ではない。アクションものだ。ほんものの切り裂きジャックは誰かという謎は一応あるが、推理で解くわけではない。いや一応ちょっとした...

≪前のページ≪   1ページ/1ページ   ≫次のページ≫