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2015年05月のエントリー一覧

  • 葛飾応為

     原宿の太田美術館で葛飾応為の「吉原格子先之図」を見た。杉浦日向子の「百日紅」の主人公、葛飾北斎の娘である。彼女の作品は世界に数点しか残っていない。そのなかの代表作だ。 浮世絵に限らず、日本画は形と色彩の美しさを重視する。装飾的で、デザイン的である。遠近法に必ずしもこだわらないし、光と影という考え方はない。西洋画と絵の思想が違う。だが幕末から明治にかけて西洋画が一挙に入り込み、日本画もその影響から...

  • ロカンタンの「嘔吐」と代助の「足」

     漱石の主人公代助にとっての「足」、ぼくの主人公(考えてみるとこの主人公には名前がなかった)にとっての「手」、そしてロカンタンにとっての「吐き気」――と並べて、代助やぼくの主人公にとっては精神的な意味が強く、ロカンタンにとっては哲学的意味が強いと書いた。でもそれは結果問題で、現象発生の場面では、ロカンタンにとってもそれは精神問題なのだ。 この作品も半世紀読み直していないのでうろ覚えで書くが、第一次大...

  • 北島去男

    「ふくやま文学」の北島去男が北島成樹名義で朝日新聞の備後欄にエッセーを書いている。そのことは前から聞いていたのだが、備後欄は読まないたちなので、今まで気づかずにいた。今日ふと見ると書いていた。本通り商店街(かつて福山一の繁華街だったが、いまやシャッター通りと化している)のアーケード撤去が始まったという記事である。この人は飲み屋の亭主なのだが、雑学薀蓄のすごい人で、いつもしゃれた小説を書く。今回もベ...

  • 「少女たちの羅針盤」2

    「少女たちの羅針盤」の、原書房のペーパーバックは600円台、光文社の文庫は700円台。文庫の方が高いので驚いた。映画化されたのとタイトルが魅力的なので、かなり売れたのだろう。映画の評価もそれなりに高かったようだ。 光文社版には島田荘司が解説を書いている。それによると、この賞は公募したボランティアが一次審査をやるが、女性ボランティアのこの作品への評価は全体に渋かったのだという。こういう設定は少女漫画でさん...

  • 水生大海「少女たちの羅針盤」

     ミズキヒロミと読む。ふくやまミステリー新人賞の第1回作品である。受賞は逃したが、優秀作になり、映画化され、出版された。当賞関係で映画化された、いまのところたぶん唯一の作品だ。原書房からペーパーバックで出たのち、光文社が文庫で出した。かなり売れたとみられる。作者はそののちも次々と本を出している。 福山へ来た当時、市をあげてこの映画を宣伝しており、市役所はじめいたるところに垂れ幕を掲げ、ポスターを張...

  • 「それから」「失われた夜のために」「嘔吐」

     朝日はいま「それから」を連載中である。この作品は何度か読んでいる。ところが気に入ったから再読したのではなく、何度読んでも定かなイメージを結ばないので、それで読みなおす結果となる。一度このブログにも少し感想を書いた。連載は始まったばかりなので、終わってからまた何か書くかもしれないが、いま思いついたことをいくつか。 新聞連載という形で毎日少しずつ読むと、それなりに一回ずつがまとまっている。もっとも、...

  • 吾輩は猫である

     往き帰りの新幹線で、「猫」を読みはじめた。50数年ぶりである。しかも昔の文庫本で読んだ。妻が新しい文庫本を買ってきて読んでいるが、どうしても昔の本で読みたかった。旧仮名、繁体字、当て字だらけの原文である。1962年3月20日発行の角川文庫31版。52年が初版だから、10年間に31版出ている。毎年3版出ていたわけだ。これはぼくの中学から高校への春休みに当たる。たぶんそのときに読んだ。 いまの文庫より字が小さい上に紙...

  • 内田 樹

     きのう想田和弘について書いたあとで内田樹の記事を読んだ。趣旨は想田と変わらない。ただシステムと人の問題に触れており、少し考えさせられた。 ぼく自身がずっと強調してきたのは、人に頼るシステムの脆さについてだ。中国がそうだ。ここではシステムは機能していない。人がすべてを動かしている。きわめて恣意的なシステムだ。日本共産党のシステムにぼくが見るのも、そういう脆弱さだ。それはそのままスターリン主義につな...

  • 橋下 徹

     16日から21日まで東京にいた。22日は図書館に行って読めなかった期間の新聞をざっと読んだ。23日、孫たちの運動会その他で水島、玉野へ行き、きょう24日は「まがね」で岡山へ行った。やっと一段落という感じで帰ってきた。 その間に橋下徹が敗北した。 昨日23日の朝日で、三人の人物がこの問題を論じている。それぞれになるほどと思うところもあるが、ほとんどぴったり一致したのは、想田和弘である。この45才の若い映画作家の...

  • 新人賞受賞者たち

    「名古屋民主文学」のホームページに、受賞者三人が勢ぞろいしている写真が載っていた。見ると、ぼくが女性かと思った「CAVA!」の野山あつむだけが男性で、あとの二人はどちらも女性だ。びっくりしてしまった。木曽ひかるの写真だけは民主文学にも載っていたのだが、70歳にしてはずいぶんハンサムな若々しい人だなと思っていた。女性でした。失礼しました。41,2歳の成田富月も女性である。 ところで、一週間旅に出てパソコンの...

  • 成田富月「つなぐ声」(民主文学新人賞佳作)

     新人らしく若い。41、2才。 読みやすくそれなりに面白かったのだが、少し時間が経ってみると、あまり印象が残っていない。いちばん鮮明な記憶を残しているのは、ラストで若井が坂田に殴り込みをかける場面だ。ここだけは描写に力があった。 好意的に読めば、ずっと力をセイブしていて、最後に吐き出したのだ、というふうにもとれなくはない。 だが、そこへ行くまでがやはりあまりにも行儀が良すぎる。優等生の文章が続いてい...

  • 「CAVA!」再々補遺

     もうひとつ忘れていた。「お客様」という単語が地の文に何度も出た。会話の中では確かにお客様だろう。でも地の文にまでそれを引きずると、地が会話に負けてしまう。地の文の中で登場人物をさん付けや君付けで書くのはそれなりに自然に思えて違和感はなかった。だが、お客様はいけない。...

  • 「CAVA!」再補遺

     作中に二箇所、「下部」という文字が出てきた。意味が分からず、カヴァだからカブなのかと思ったりして、カブではなくシモベなのだと気付くのにだいぶかかった。 シモベはふつう僕と書く。辞書を引くと昔は下部も使ったようだ。しかし現代の読者にこれをシモベと読ませるのは無理だろう。...

  • 新人賞補遺

     新人賞および佳作について書き洩らしがあったので付け加える。「月明りの公園で」 この作品で光っているのが菊井であるということは述べた。その菊井について白鳥が「思考回路はどうなっているのか」と腹立ち、途方に暮れているところがよいとも書いた。ところがその先の部分を書き洩らした。 人間存在の相互理解不可能性の認識自体は正当なことである。ところがその先で菊井と一瞬目が合った白鳥は、菊井の眼に涙を認める。こ...

  • 「CAVA!」の作者

    「CAVA!」の作者は男性であるという指摘がきた。だとしたら、なおすごいことだ。女性の描き方がうまい。でもそれは読者であるぼくが男だから思うことで、女性が読めばいろいろアラが見えてくるのかもしれない。...

  • 野山あつむ「CAVA!」(民主文学新人賞佳作)

     なかなか面白かった。新人賞は70才、この作家は65才、いずれももう若いとは言えない齢だが、現代社会と現代青年とを書いてほとんど破綻がない。とりわけこの作品の扱っているのはパソコン関係であり、登場人物は30代の男女である。見事なものだ。 冒頭にウインドウズ7と出てくるから、現代の話であることがはっきりする。7が出たのは2009年である。 パソコンユーザーからの困りごと相談に電話で答える仕事を請け負っている会...

  • 木曽ひかる「月明りの公園で」(民主文学新人賞)

     出だしがちょっともたついたが、読んでいくとなかなかの作品だ。 白鳥、43才。福祉事務所で就労支援員として働き始めた。生活保護受給者を減らしたい市が、民間業者に委託して始めた事業である。白鳥は一流不動産会社で副支店長になったが、リーマンショックで会社が傾き解雇されて、家も手放し、妻子とも別れてようやく今の職にありついた。だが成果があがらなければまた解雇される。 働く能力のある受給者をハローワークに連...

  • 小説主人公における名前

    「名前」のところで書き洩らしたので付け加える。 小説の登場人物の名前のことである。とりわけ、その主人公。 夏目漱石の昔から、日本の小説の主人公の名前は、ファミリーネームではなく、ファーストネームで、つまり、姓ではなく名で書くというのが決まりごとのようになっている。他の人物はすべて姓であるのに、主人公だけは名だ。ぼくは昔からこれに違和感を感じてきた。 もとより、あらゆる芸術は約束事の上に成り立ってい...

  • 「百日紅」

     引き続き映画評である。福山駅前に一軒だけ残った映画館で「百日紅」を見た。駐車場の心配をしていたら、結局三時間分の無料駐車券をくれた。日曜日なのに映画館はガラガラだったが、街はそれなりに賑わっていた。「百日紅」を見たいと思ったのは、杉浦日向子を好きだったからだ。 テレビを滅多に見ることのないぼくだが、NHKの時代コメディがふと気に入って、よく見ていた。のんびりしたドラマの内容もぼく向きだったが、毎回...

  • Once Upon a Time in the West

     セルジオ・レオーニのOnce Upon a Time in the Westをテレビで観た。観終わってから、昔一度見ていたことを思い出した。 どうというようなストーリーではないのに引き込まれる。なになんだろうと考えると、「絵」なのだ。すべての画面が「絵」になっている。「絵」として鑑賞できる。さすが、ミケランジェロの国の監督だ。昔はそんなことには気づかなかった。 「絵」を鑑賞するだけで見応えのある映画になっている。そのためだ...

  • 日本人にとって名前とは何か

     高崎山のサルのシャーロット騒動には、日本古来の、名前というものに対するきわめて特殊な感じ方が、一部日本人の間で今も生きているのを目にして興味深く、日本人と名前というテーマをいろいろと考えさせられた。 日本人にとって、名前は目にするものであって、口や耳にするものではない。とりわけ目上の人の名前は絶対に口にしてはならない。 面前では敬称だけで呼ぶ。陛下、殿下、閣下、社長、課長、父上、兄上、先生、先輩...

  • 原稿終了発送済

     3日から6日まで4日間、わが一族を招集して遊びまくった。孫たちもだんだん大きくなってきて、はたしていつまで来てくれることやら。 というわけで、7日は再び缶詰めになってミステリーの最終仕上げ。どうにも気になるところに何箇所か手を入れた。一旦直したところをまた元に戻したところもある。まだ不満はあるが、時間切れ。きょう簡易書留で送った。消印だけ確認させてもらった。はっきり言って、たぶんダメ。出版を目的...

  • ミステリー完成

     昨年のうちに書きあげていたミステリー応募作350枚、その手直しに明日こそかかろうと毎日思いながら、ずるずると半年放置してしまった。なんでこんなことになるのか、自分で自分がよく分からない。はっと気付いたら、5月10日の締め切り間際、しかもカレンダーを見ると10日は日曜日で郵便局休みだ。土曜日はどうかな、土曜もひょっとすると休みなんじゃないか。しかも連休に突入して、3日から6日まで休みである。郵便局に行け...

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