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2015年01月のエントリー一覧

  • イスラム

     最近、古本屋さんがちょくちょくぼくを挑発して、いまの問題について何か書けと言っているようなのだが(ぼくが勝手にそう思っているだけかもしれないが)、イスラム問題は簡単に書ける問題ではないし、いま書かねばならないこととも思えないので、黙ってきた。 きょう、少しだけ書いてみる。乏しい知識で独断的に書くので、間違いは指摘してほしい。 大筋においては、古本屋さんの立場とそんなに違わない。 中東問題というの...

  • 三四郎からドーキンスへ

     話が多方面に飛ぶことになると思うが、とりあえず「三四郎」から始める。 半世紀前に読んだ本だが、さわりの部分はすべて鮮明に覚えている。それほど印象の強い本だった。 三四郎自身はまったく個性のない男だ。主人公だからそれでよいのだ。田舎出の純朴な青年が東京でおろおろしている図を書いたのだから。代わりにあくの強い人物が二人、与次郎と美禰子が物語を支えている。広田、野々宮、よし子、原口らの脇役が背景を膨ら...

  • 遺伝子と神

     竹内本への批評を部分的に手直しし、文末に注を付けた。ちょっとごたついている感じがするので、一度批判を仰ぎたい。これに伴って旧稿は削除する。...

  • 竹内久美子「そんなバカな! 遺伝子と神について」(文春文庫1994年)

    「利己的遺伝子」の竹内久美子である。この本が最初に世に出たのは91年、著者35才の時である。当時すでにかなり流行したらしいが、ぼくが新聞紙上などで注目し始めたのは、ほんの数年前のことで、福岡伸一の本でぐっと注目度が上がった。もっとも福岡先生は、「その理論はさておき」と軽くいなしておいて英文の翻訳間違いを指摘したりしている。まともに相手にしていない。 だが、本の前半はまことに面白い。 ハミルトンのミツバ...

  • シャルリー追加

     誤解を招きそうなので付け加える。最初の太田光の発言だけが人質事件についてのものである。ソンタグ発言はこれに触発されて高橋が思い出したソンタグの過去の発言、あとの二つがシャルリー事件である。出来事は二つだ。「でも、どんな出来事でも、ほかにも出来事はある」...

  • 私はシャルリー

     太田光「黙ることが必要なときもあるんじゃないか」 スーザン・ソンタグ「意見というものの困った点は、私たちはそれに固着しがちだという点である……何ごとであれ、そこにはつねに、それ以上のことがある。どんな出来事でも、ほかにも出来事がある」 エマニュエル・トッド「ところがフランスは今、『私はシャルリーだ』と名乗り、犠牲者たちと共にある。私は感情に流されて、理性を失いたくない。今、フランスで発言すれば、『...

  • 「平井真」について

     推理小説脱稿後、気が抜けて何もできていない。そろそろ立ち上がらねば。2月の「まがね」締切に向けて「竹内久美子」に若干手を入れてみたが、なんだか、だんだんどうでもよくなった。「平井真」に高原さんが下さった評を、少し編集して読みやすくして印刷してみた。非常に懇切で適切な評だ。これにそって書き直せば、そこそこの作品になるかもしれない。 35枚あるが、もう少し長い作品として書きかけて第1章だけで中断したも...

  • W.D.ハミルトン

    「まがね」の次回締切が2月末だが、書けそうにないので、古原稿を漁っている。竹内久美子への書評はどうだろうと思って、開けてみた。二年前のものだ。わりと長い。10枚ある。悪くはないと思うのだが、ハミルトンの学説を、詳しくは本書を読んでくださいですましている。一番肝心なところの説明がない。それで注のかたちで多少説明を書いてみた。そのために竹内久美子を本棚から探して冒頭部分を再読した。2年前に読んだ本だが、...

  • 「偉大なる暗闇」と別件「母音について」

    「三四郎」の中で、与次郎が広田を指して呼ぶ「偉大なる暗闇」という言葉を、ぼくはいままで単に、「偉大であるのに世間に知られずに埋もれている人」という意味のみに取っていた。それにしては大げさすぎる表現で少し意味不明だと思いつつ、お調子者の与次郎のセリフなのだからそれでいいのだろうくらいに思っていた。 今回、たんめん老人さんが、高橋英夫という人の著書からこの言葉の意味を読み解いている。以下に引用する。「...

  • プロメテウスの罠

     3.11以後、長期連載中の朝日新聞「プロメテウスの罠」は、原発被災に関する多方面の人々を取り上げてルポしている。 ルポといっても、人が人を取材して書くのだから、勘違いもあれば、粉飾だってあり得る。だから事実そのままだと信じるわけにはいかないのだが、少なくとも事実の上に書かれた文章の強さというものを感じざるを得ない。 つまり、小説ってなんだろうと思ってしまう。創られた作品を軽く感じてしまうのだ。 前回...

  • チンパンジーとボノボ

     去年の1月15日にボノボについて書いたが(タイトルは「交換について」)、ちょうど1年経った。読み返してみると、大筋は覚えているが、自分で書いたくせに、細かいところはすでに忘れている。 最近朝日新聞にまた記事が載った。それによって若干変更の必要が出てきた。 ヒトの祖先はチンパンジーかボノボか、という争点は無意味になった。チンパンジーとボノボの共通の祖先がヒトの祖先と別れたのは500万年以上前、これに対...

  • Frozen

    「アナと雪の女王」の原題は「Frozen」、日本語にすれば「氷結」であろうか。だが「氷結」はもともとの日本語ではない。中国からの輸入語である。もとの日本語で言うとしたら、「凍りにけり」とでもなるのだろうか。現代風に言うなら、「凍っちゃった」であろうか。 ま、そういう題でもべつにかまわないわけだけど、何を言いたいのかというと、日本語は動詞や形容詞副詞を名詞にしにくい言語だということだ。日本語といっても元の...

  • 「神曲 地獄篇」

     たんめん老人さんのブログは、その都度の読書と映画鑑賞の感想を書きつつ、一方では備後福山の誠之館や鞆の話題が出てきて興味深いが、この間継続して、ふたつの作品の紹介をされている。ダンテの「地獄篇」と「太平記」である。少しずつなので読みやすい。ぼくは日本史は鎌倉幕府の成立でとまってしまって、室町と江戸とが(とりわけ室町)空白に近いので、鎌倉から室町への変革期の物語として「太平記」は面白い。「神曲」は、...

  • 川上 徹

     川上 徹が亡くなったそうだ。ぼくの時代の全学連委員長だから、名前くらいは知っている。広谷俊二の本は1冊だけ読んだ。戦後日本の学生運動の歴史に関する本で、内容もわりと覚えている。その後、二人が共産党と対立したという情報にも当時接した。 しかし、新日和見主義事件というのは記憶にない。たぶん当時眼にはしたのだろうが、覚えていない。 72年のことだそうだ。72年というのは日本にとってあらゆる意味でエポックの...

  • トマ・ピケティ公開授業

     トマ・ピケティの5500円の本を買うのも読むのもちと骨なので、教育テレビで授業の第1回を見た。 結論を言うと(第1回でもあるので)新聞で読んだこと以外にはなかった。逆に言うと新聞がピケティを正確に伝えていることが確認できた。 何か目新しいことを言っているわけではない。格差が拡大してきており、何らかの規制が必要だと言っているだけである。それは左派がずっと言っていることだ。だが、格差の是正を主張する言論...

  • パリ テロ 追記

     風刺は権力や常識や世間の風潮に対してなされるべきで、弱者に対するものであってはならない。 宗教をタブー扱いすることには反対だが、キリスト教国の人間が、イスラムを軽率に風刺することにはやはり少し違和感がある。 十字軍以後、キリスト教徒はイスラム教徒に対してずっと強者だったし、侵略し、植民地支配し、搾取し、そしていまなお殺している。 これを宗教問題としてとらえるのは絶対に間違いだ。支配被支配の問題な...

  • パリ テロ

     パリのテロについて何か書きたいのだが、まとまらない。 言論に対する暴力という点ではもちろん許されざるものである。だが、いま暴力はそれだけではない。この10年間、アメリカとヨーロッパ諸国が、中東からパキスタン国境沿いまで空から爆弾を落とし続けて何万の罪なき人々をあっけなく殺してきたか、それを想起すれば、このテロだけを特別扱いする気にはなれない。 一番の根元にあるのはパレスチナ問題なのだ。ここで、制裁...

  • エターナル・サンシャイン

    「エターナル・サンシャイン」という数年前のアメリカ映画を録画で見た。たいした内容ではないのだが、テクニック的には面白い。といっても特筆するようなテクニックではなく、昔フランス映画で何本か見たのと同種のテクニックだ。半分くらいまで、何が何やらわからない。見終って、からくりがすっかりわかってしまうと、今度は初めからもう一度見たくなる。気付かなかったところがたくさんあったのではなかろうかと思うからだ。そ...

  • 文字が言葉を貧しくする

     川田順造という80才の人類学者がいる。レヴィ=ストロースの弟子である。ということはもちろんフィールドワークの上に学問を築き上げてきた人だ。 アフリカの文字を持たない部落で、農閑期の夜、熾き火を囲んで、子供たちがお話をして聞かせる。その声の美しさに驚嘆する。文字に縛られない「アナーキーな声の美しさ」なのだという。 また、生まれ育った深川の職人たちの語りに耳を澄ませる。その語りの響きにうっとりし、そして...

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