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2014年03月のエントリー一覧

  • 竹中 安東 菅沼 覚書

     竹中半兵衛の妻の父、安東伊賀守について、ある本では守就、他の本では範俊となっているが、同一人物である。当時は姓も名もころころ変え、いくつも持っていた。 姓の表記は一般には安藤になっているが、安東と書いているものもある。本来、安東は東北地方の一族であり、美濃のアンドウは安藤であった。しかし名前をころころ変えるくらいだから、その表記はいまのようにやかましくない。いずれにせよ、どの時点かで安東に定着し...

  • 小山田浩子「工場」

     なかなか面白かった。読んで損はしない作品である。「穴」よりもむしろ優れているのではないか。 広島のマツダで派遣で働いた経験から書いたと聞いた時から気になっていた。ところが帯を見ると、「何を作っているのかわからない、巨大な工場。敷地には謎の動物たちが棲んでいるーー」と書かれていて、ちょっと興ざめした。なんだ、例によって幻想小説か、と思ったのだ。「穴」も日常から幻想へと入っていく。村上春樹の作品にも...

  • 大衆小説

     大衆小説を分類できるほど読みこんでいないのだが、乏しい知識で仮に分類してみる。 歴史小説、推理小説、SF、社会小説、世話物。 細かく分ければいくらでも分けられるだろう。 いちばん読んできたのは推理小説である。ルパンもの、ホームズものを筆頭に、エラリー・クィーン、アガサ・クリスティ、横溝正史、東野圭吾などはほとんど読んできたような気がしている。もっとも読み残しもかなりあるだろうが。 ルパンものは推...

  • 小山田浩子から「ノロ鍋始末記」へ

     小山田浩子の「工場」を読みはじめている。ぼくは頭の回転が遅いので、小説を読むのにさえ時間がかかる。感想は読み終わってから書く。「穴」でも彼女は非正規労働者を愛情こめて描いたが、「工場」もいまのところ非正規労働者の話である。 非正規でしか働けない人が多数者になりつつある今日、それを描くことは正当で必要なことである。高く評価したい。 だが、労働者の問題はもちろんそれだけではない。「まがね」54号55号に分載...

  • 植田氏のコメントによせて

     植田氏の見解にほぼ賛成なのです。旧来型の左翼的意見には近頃違和感を覚えます。むしろ左翼から批判を浴びる共産党のほうに親近感がある。共産党はすでに実質的に社会民主主義の党なのだと思います。そしてぼくもそうなのです。ただ共産党は古い共産主義者たちを裏切れないので、あいまいな態度をとっている。無理からぬことでしょう。 ぼく個人としては共産党にもっと右に行ってほしいのです。古いドグマをすべて捨てて、現代...

  • 植田氏のコメント

     「社会変革の主体はどこに」  植田与志雄 <一定の経済的、社会的、思想的水準に達した社会における変革はまたまったく別のものとしてしかありえないだろう。>  資本主義が最大(過ぎてみなければ分からないけれど)に発達した状態からの改革、まさに社会主義の出発点ですよね。  ただし、変革の主体は何か、この超複雑化・超グローバル化・密結合した社会経済システムの改革の主体は「立て飢えたる者」ではなさそうだし、...

  • 資本論 9

     しばらく忙しかったので、読書も進んでいない。第8章労働日の終わりのほうをうろついている。 労働日の後半は、14世紀から19世紀にいたる主としてイギリスにおける労働時間の推移の記述である。さして難しいことは書いていないのだが、どうもピンと来ないのは、我々日本人にとって、これは鎌倉幕府の滅亡から明治維新にいたる期間である。この500年に及ぶ期間の労働者の状態と言われても、なんとなくあっけにとられる。そうい...

  • 町内会役員の皆さんへ

     一年間、お付きあいいただき、ありがとうございました。おかげでたいへん楽しく有意義な一年間を過ごすことができました。 当ブログは小説ブログと銘打ちながら、種々雑文を載せており、しかも長すぎて読みにくいだろうと思いますが、ときたまでも訪問していただければ、うれしく思います。 カテゴリーをクリックしてもらえれば、タイトルと書き出しの数行が出てきます。興味をもたれる記事があればお読みください。2000字小説...

  • 「慰安婦問題」共産党声明への批判について

     ネットをうろつくほど暇でないのでぼくは知らなかったが、古本屋通信によると、共産党「慰安婦問題」声明への批判が、ネット上に殺到しているそうである。ざっと読ませてもらった。 それらの批判の特徴は「声明」のなかの以下の点に集中していることである。 まず「声明」のタイトルが「歴史の偽造は許されない」となっている。そして「声明」の最終部分に来て、「歴史に正面から向きあい、誠実かつ真摯に誤りを認め、未来への...

  • 慰安婦問題について

     慰安婦問題はなかったとする言論が、週刊誌やネットにあふれています。共産党の見解が出ました。まずこれを精読してから考えてください。(この見解の存在は古本屋さんのブログによって知りました。なお古本屋通信からダブルコピーしたので体裁は原文と若干違うでしょうが、内容は違わないはずです)。...

  • 慰安婦問題 共産党の見解

    歴史の偽造は許されない――「河野談話」と日本軍「慰安婦」問題の真実 2014年3月14日  日本共産党幹部会委員長 志位和夫はじめに 日本軍「慰安婦」について政府の見解を明らかにした河野洋平官房長官談話(1993年8月4日、以下「河野談話」)が国政の重大な焦点となっています。 この間、一部勢力を中心に「河野談話」を攻撃するキャンペーンがおこなわれてきましたが、2月20日、日本維新の会の議員は、衆議院予算委員会の...

  • 水上勉 瀬戸内晴美

     水上勉と瀬戸内晴美について書けという古本屋さんの注文だが、この二人も読んでいないので書くことはない。 水上勉は高校時代に「フライパンの歌」というごく短いのをひとつだけ読んだ。貧しくてトタン屋根なので、雨が降るとフライパンの歌が聞こえるという私小説で、「雁の寺」でデビューする前の作品だ。しみじみと味わい深い作品だったという記憶がある。 瀬戸内晴美については、一作も読んでいないが、ぼくの母の短歌仲間...

  • 資本論 8

     以下は覚え書きである。 資本は貨幣の存在を前提とするが、貨幣はいつでも資本であるわけではない。通常、貨幣は交換の仲立ちとして機能するだけである。交換されたものが消費されれば、そこでこの過程は終結する。 他人の労働の利用は、剰余労働と剰余生産物の発生を予期し、またその結果を得る。だが、この剰余生産物がその場で消費されるなら、それは剰余価値ではない。なぜならこの生産物は商品ではないからであり、商品で...

  • 「コスモス」の言い訳

     この戯曲は、まだ現場で働いていた時分に書いた。はじめの何場かは難なく書けた。その後ゆきづまった。 岡崎が峰を誘惑し、峰が抵抗しつつも惹かれていく微妙な場にかからねばならない。その後、一件が露呈し、峰と古田とが決定的に別れる場がいる。 じつは戯曲の構想が浮かんだ最初から、この二場が頭にあり、この二場を書くために書きはじめたようなものだった。それは劇の中心であり、山であり、最も劇的な場面だ。いい加減...

  • 高原さんへ

     たいへん深く読み込んでいただいて恐縮です。おほめいただいた部分はぼくの思いをまっすぐ受け取ってもらえたようで、こんなにもわかってくれる人がいることに感激しております。ご批判はどれも当っていると思います。頭では分かっても、実際に書くとなると難しい。齢をとって持続力がなくなりました。あとでちょっと言い訳を書きます。...

  • 「通俗性」について

    「民主文学」4月号で、乙部宗徳が「通俗」について書いている。面白く読んだ。「通俗的」とは何か、何故それが文学性を損なうのかを問うとしながら、「大衆小説をいわゆる『純文学』より何か劣るものとして考えているわけでもない」と断っている。 断りながらその問題にはそれ以上触れようとせずに、「通俗性」の解明だけで終えている。 二点触れたい。一点は乙部氏の論調にそって「通俗性」の問題。もう一点は乙部氏が示唆する...

  • 記事の転載

     ひとたび公開したものは著者の手を離れる。どこに転載されても自由です。ただ、小説と戯曲については著作権を主張したいと思いますが、それ以外は、批評も含めて自由です。所詮一読者の感想程度のものにすぎませんから。...

  • 相沢一郎「寒風に抗して」(民主文学3月号)

    「民主文学」の作品評は懲りたのでもうやらないつもりだったが、特筆すべき作品にはやはり触れたい。ただし同一作家が今後つまらない作品を書いた時は無視することにする。 期待せずに読みはじめた。聞かない名前だし、タイトルはいかにもありふれているし、書き出しが退屈だった。 ところがだんだん面白くなってきて、ラストには度肝を抜かれた。この人は小説を心得ている。 これだけでは何のことか分からないので、ネタバレに...

  • 高野悦子

     古本屋さんが高野悦子について何か書けとふってきた。申し訳ないが、ぼくはこの人の本を読んでいない。 いまウィキペディアで引いたら、69年の6月に自殺している。そのときぼくも立命館広小路キャンパスにいた。ジャズ喫茶シャンクレールに近いと書いているから、史学科も衣笠ではなく広小路だったのだろう。文学部だから当然そうなるわけだ。ぼくもシャンクレールにはたびたび行った。 同志社英文科を退学していくつかアルバ...

  • 高原さんへ

     丁寧な批評をありがとうございました。ご指摘の点、たしかにそうですね。作者の頭の中だけでわかってしまっている部分がかなりあるのだろうと思います。形にするということはちゃんと伝わるものにせねば駄目ですね。それとやはり終わり方が物足りないのだろうと思います。盛り上げて終わることができない。ぼくの作品はいつもいきなり終わると言われます。ここをどうするか、まだ当分考えてみなければならないところだと思ってい...

  • 資本論 7

    「資本が剰余労働を発明したのではない」(第8章第2節 新日本版309ページ) 階級のあるところ、どこにでも剰余労働はあった。古代奴隷制社会にも、中世封建制社会にも。もし剰余労働がなくて奴隷が、あるいは農奴が、自分の食べるものしか生産できなければ、奴隷や農奴を持つことに何の意味もない。 しかし、剰余生産物を奴隷主や領主が消費してしまうなら、それは交換されないので、交換価値を持たない。交換価値を持たず使用...

  • 小山田浩子「穴」

     遅まきながら、芥川賞受賞作である。前回はたいへん読みにくかったが、今回は読みやすく面白く読んだ。 文学的な濃い味わいを感じさせてくれる文章ではない。素っ気ないと言えるほど簡潔な日常語である。それでも読みはじめたら止まらないのは、内容の面白さもさることながら、文章が見かけ以上に練られているからだろう。 内容は、共働きの非正規労働者からひょんなことで専業主婦になった若い女性の妄想記である。 妄想の内...

  • コスモス連載終了

    「コスモス」の連載が終了しました。多少手直ししましたが、まだ納得できる内容ではありません。そのような不十分なものを読んでいただくのは心苦しいのですが、もし感想を頂けたら励みになります。「つまらない」の一言でも構いません。よろしくお願いします。 なお400字詰めで200枚になりましたが、戯曲のスタイル上空白が多いので、字数に換算したら、100枚程度ではないかと思います。...

  • クリミア

     クリミアおよびウクライナの情勢は今後どうなっていくかまだまったく分からないが、共産党の志位委員長はロシア大使館に抗議した。ハンガリー動乱は別にしてプラハの春以後、あらゆる内政干渉に反対してきた共産党として一応筋の通った対応と言えよう。 だが、アメリカとヨーロッパ諸国の抗議はまったく筋が通らない。さんざん他国に一方的に軍事攻撃をかけてきておいて、いまさら何を言うのかである。ことを決するのは軍事力だ...

  • コスモス 8

     終幕P場      中間幕の手前。男1、刑事。机に向かいあって掛けている。刑事  君の話はとりとめなくて、現実なのか、芝居なのか、夢なのか、いつの話なのかさえ、はっき    りしない。だがわたしの鈍い頭にも、おぼろげに浮かんできたことがいくつかある。要するに    人間てのは、どんな小難しい理屈を並べてみても、結局は似たり寄ったりだ……男1  ぼくは自分が他人と違うなんて思っていない。ただ、ぼくは...

  • コスモス 7

     四幕P場      中間幕の手前。刑事と、男1、机の両側に向かい合って掛けている。刑事  (話の続きを言いかける)そこで、訊くんだがね……男1  (さえぎる)もういいよ。同じことの繰り返しだ。ここには毎日お客が次々とやってきてね、愚    にもつかない話をしていく。おかげで退屈しないよ。いまもひとり、来ている。刑事  (見渡す)どこにお客がいる。男1  (笑う)いるじゃないか、ぼくの目の前にさ。いささか歳...

  • コスモス 6

     三幕Q場      小川家の元従業員用食堂。冬の初め。夜。中央にストーブ。ストーブの両側にやや大きめ      のテーブル。テーブルの上に、ビールと食べ物。(本物である必要はないだろう。コップ、      皿、箸、仮に栓をしたビールの空ビン、栓抜きなどをおいて、場面がきたら、飲み食いの      ふりをするだけでよい)片側に、中野、小川、宮内。反対側に、半井、古田。中野たち三      人は、回...

  • コスモス 5

     三幕P場      中間幕の手前。一幕P場と同じ場所。男1(古田)、舞台中央で仰向けに寝ている。やが      て。いきなり上半身を起こして。男1  逃げなきゃいけない。何もかも、わかってしまう。あの古い、人々から忘れ去られた街の、ど    ぶ川沿いの朽ち果てた長屋の一画が、取り壊された。いまや、まる見えだ。長屋の裏手に、ど    ぶ川にはさまれた、あのせまい場所に、長屋に張り付くようにして建て...

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