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2013年03月のエントリー一覧

  • 黒田夏子「abさんご」

     この作品を数秒ないし数分で放り投げた人も多いようだが、最後まで読んだ人も、そのかなりが、この作品についての語るべき言葉を探しあぐねたのではなかろうか。 世評通り読みにくい作品である。だが読み終わると確かに何かが残る。簡単には忘れ去ってしまえない印象を心に残す。それは何なのだろうか。 ぼくは普通感想を書き終わるまで人の批評は読まない。誰の影響も受けない自分自身の感想を書きたいからである。しかし今回...

  • 「ひきこもり」に関する独り言

     ひきこもりが話題になりはじめて、そう何十年にもならないが、昔からひきこもりはあった。現にぼく自身、生まれた時からずっとひきこもり続けているような人間だから、ぼくのなかでは一貫して切実なテーマだった。書けずにきたのは普遍的なテーマとは思えなかったからだ。でもこのごろ、世の中がぼくに追いついてきた感じで、必ずしも特殊な問題ではなくなってきたので、遅ればせながらやっと書く気になった。それが「失われた夜...

  • くにさだきみのことなど

     古本屋通信が、鴨川俊作、坪井宗康、くにさだきみ、三宅陽介、石井ひとみにふれています(少しずつですが)。末尾にぼくにも一言書いてくれました。興味ある方はご覧ください。...

  • 七誌さんのこと

     古本屋通信さんが、七誌さんの短文を載せて、「どこかおかしい」と書き、「文章表現の問題として、民主文学で話題にしてくれ」と言っている。ぼくはこのブログで政治問題を扱うつもりはないのだが、ひょっとしてぼくにふったのかなとも思えるので、一言だけ書く。七誌さんの文章はあまりにまずい文章なのでここに再録はしない。まずい文章というのは、教養や論理能力の欠如を推察させるが、七誌さんのほかの文を読んでいないので...

  • カテゴリーを増やしました

     記事が増えて見にくくなったので、ぼくにできる範囲で様式を改善しました。カテゴリーを増やしたので、多少見やすくなった、かな?...

  • 「まがね54号」感想  野村邦子

    (山口県光市の野村さんから丁寧な感想が寄せられました。野村さんは俳句、俳論がご専門ですが、上関原発、光市母子殺人事件などすぐれたルポを書かれ、後者では永山則夫の著書にも言及、また村上春樹の「1Q84」を論じるなど、幅広く評論されています。以下に紹介します) 梅から桜へと季節は足早に経過していきます。「まがね54号」お送り下さって、まことにありがとうございました。来し方の中国ブロックでの白熱した討論...

  • 最上 裕 「陸橋を渡る足音」

     三分の二くらいまで事実経過を語るだけの平板な叙述が続き、作家の個性が感じられない。ところが、主人公が一転して会社にたてつきはじめるところから急に面白くなってきて、終盤、システムトラブル解決のために同僚の自発的な協力を得て徹夜で奮闘し、明朝の期限に間に合わせるスリリングな場面には、俄然ひきこまれた。 小説にはやはり葛藤が欲しい。人間対人間でも、人間対自然でも、あるいは人間対システムでもよい、躍動す...

  • 丹羽郁生 「道」

     冒頭、興味をひかれたのは技法面である。主人公の外見が描かれている。誰の視点でもない。強いて言えば作者の視点か。19世紀のヨーロッパ小説の雰囲気を漂わせて始まる。かつて山口県の下松での眠れぬ夜に作者から聞いたトルストイが好きだという言葉を思い出して、にやりとした。この手法は最後まで貫かれて、最終ページで「すっかり目を覚ました彼の顔からは、沈鬱に青ざめていた色がいくらか消えていた」と書かれる。本人が鏡...

  • 櫂悦子、新船海三郎、三浦健治をめぐって

     櫂悦子の「南東風が吹いた村」が掲載されたのが「民主文学」12年8月号、新船海三郎が「核エネルギーへの認識と3.11後の文学」の中で、同作品に触れたのが同年11月号、そして今月号に三浦健治の「そもそも小説とは何か」が載った。これは新船氏の前掲評論への全面的批判であり、その中で一章を設けて櫂作品にも触れている。 ぼくはこの三者が有しているような広範な知識はまったく持たないので、この三者を厳密に論じる...

  • 声  石崎明子

     秋の長雨が続く曇天の日だった。ぶあつい雲の層を朱色に染める雨上がりの夕暮れ時、通勤鞄と買い物袋をかかえて郵便受けをのぞくと、1通の手紙が来ていた。アルファベットで書かれている差出人の名前に、一瞬のうちに記憶がよみがえり、私は時を戻っていた。4年前のあの南仏の小さな街まで。 声を探しているんだ、と彼は云った。 私達はカフェにいた。マイケルは私の前にすわっていた。それはおだやかな秋の日で、ふりあおい...

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