FC2ブログ

 ・青山次郎「ほうとう」(「民主文学」20年4月号) ・仙洞田一彦「餓鬼の転職」(「民主文学」20年4月号) ・矢嶋直武「ノッティンガムの少女」(「民主文学」20年4月号) ・「執権」の改善点 ・「執権」補足と「樹宴」について ・細川重男「執権」 講談社学術文庫 2019年 ・自分の「異邦人論」に見つけた欠陥 ・野川 環「マイホーム」(「民主文学」20年3月号) ・「民主文学」20年3月号 ・谷川俊太郎選「茨木のり子詩集」岩波文庫 2014年 ・空猫時也 追加 ・空猫時也「光射す海域へ」(「民主文学」20年3月号) ・ライトノベルとふたたびスージーアウトサイダーについて ・スージー・ヒントン「THE OUTSIDERS」集英社コバルト文庫 1983年 ・「民主文学」20年2月号 ・「コンパクト」「鉄砲百合」そして「八月の遺書」 ・「民主文学」1920年1月号 ・ムルソーとはなにか ・カメル・ダーウド「もうひとつの『異邦人』ムルソー再捜査」  鵜戸 聡訳 水声社 2019年 2200円(税込) ・「異邦人」と「もうひとつの異邦人」 ・池戸豊次 「水のまち」 一粒書房 2019年 1500円 ・「民主文学」2019年 11月、12月 ・井上淳評(図書新聞) ・松本清張 ・高原さんへの質問 言葉の定義について ・今村夏子「むらさきのスカートの女」161回芥川賞 ・高原氏への若干の疑問 ・「検察側の証人」 続き ・映画「情婦」 ・10月号 続き ▼もっと見る

プロフィール

まがねとおる

Author:まがねとおる
無名人
新潟の同姓同名はまったくの他人
以上

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

FC2カウンター

カテゴリ

リンク

RSS

カテゴリ:批評のエントリー一覧

  • 青山次郎「ほうとう」(「民主文学」20年4月号)

     書き出しはよかったのだ。仙洞田作品の書き出しに苦労したあとだったので、こういうふうに、いきなり主人公が動いてくれれば読みやすい、と読みながら勝手にうなずいた。主人公のうきうきしている冒頭を読めば、「はあ、これは希望が絶望にかわる小説だな」というのはすぐわかる。それをわからせるような大げさなうきうきぶりで、コメディタッチの小説なのだと思って読み始めた。 どこに転がっていくかさっぱりわからない小説と...

  • 仙洞田一彦「餓鬼の転職」(「民主文学」20年4月号)

     結果から言えば面白かったのだが、冒頭の数ページは難儀した。仙洞田さん、どうしちゃったの? という感じ、いつもの仙洞田小説の切れがない。ごたごたしている。何度も中断してため息をついた。 第二章に入ってがぜん面白くなった。ストーリーが動き始めたのだ。 結論から言うと第一章は全部要らない。第二章から入る。もっと言えば、本屋での出会いから始めてもいい。そこから物語はスタートするのだ。そこまでは物語のため...

  • 矢嶋直武「ノッティンガムの少女」(「民主文学」20年4月号)

     みなさんに、ぜひ読んでいただきたい作品。小説としても素晴らしい(ラストに多少構成上の難あり)が、演劇授業という耳慣れないものについて的確な知識を与えてくれる。 部活動としての演劇ではない。授業としての演劇なのだ。世界中の学校でやっているのに、日本ではほとんど皆無に近いのだそうだ。 作者は日本の高校でそういうことを始めたパイオニアである。作品はフィクションだが、演劇授業に関することは実体験に基づい...

  • 「執権」の改善点

     この本に注文を付けるとしたら、ふたつだけ。 ひとつは系図だ。たくさん系図があって便利なのだが、それぞれバラバラに関連個所に置いている。他のページから見たいと思ったときに不便である。全部まとめて、最初か最後のページに置けば便利だと思う。系図どうしを参照することもできるし。 あと、年表が欲しかった。簡単でいいから、系図と同じ場所に付けてくれればよかった。...

  • 「執権」補足と「樹宴」について

    「執権」を買い求めたのは、たんめん老人のブログが紹介しているのを読んで面白そうだと思ったからで、期待にかなった。本の内容についてはたんめん老人のブログがかなり詳しく紹介しているので、それを読んでいただきたい。 義時については今回初めて彼の存在の面白さに出会った。終始時政の陰にいて「何もしない」ことが自然とその存在感を高めていき、最後に時政を排して決然と立ち、承久の乱に立ち向かう。細川氏による面白い...

  • 細川重男「執権」 講談社学術文庫 2019年

     数十年ぶりに歴史書を手にした。もともとは文学よりも歴史のほうが好きだったのだが、途中で道がねじれてしまった。70年ころに、一般向きの歴史解説書を多少読んだが、古代史が中心で、頼朝の勝利のあたりで止まってしまった。その後いつ頃だったか、蒙古襲来との関係で、時宗については少し読んだ。そのあと何も読まなかった。 久しぶりに読むと、やはり自分は歴史が好きなのだということを思い出した。著者は62年生まれ、たい...

  • 自分の「異邦人論」に見つけた欠陥

    「異邦人論」が本にならないうちから、すでに批判のコメントが寄せられている。承認したのでクリックしたら読める。ブログ上で論争してもあまり意味がないので、反論はしない。批判は遠慮なく寄せていただきたい。よほどおかしなもの、長すぎるもの以外は無条件で承認する。評価は読者にゆだねる。 すでに、自分自身、いくつか欠陥を見つけてしまった。先日書いたムルソーへの共感の是非に焦点をあてて書くべきだったということも...

  • 野川 環「マイホーム」(「民主文学」20年3月号)

     まずは、傑作と言ってよいのではなかろうか。日本語の使い方にかなり難点があるのだが、構成はうまい。人物もよく書けている。ストーリーを急ぎすぎずに、ひとつひとつ丹念に描写している。読者を飽きさせない。現代社会の闇の部分をうまくつかみだした。 欲を言えば、これだけではまだありきたりなので、もうひとつ突き抜けてほしかった。でも、ひとまず成功だ。 問題は日本語力である。言葉による表現なのだから、言葉を磨く...

  • 「民主文学」20年3月号

    秋元いずみ「マア君とクマ」 今月号は、「若い世代特集」と銘打っている。この人も若いのだろうが、「民主文学」誌上ではもはやベテランだろう。 書きなれた筆致で、少年の心の闇の部分を、読者には隠したままで引っ張っていき、最後に謎を解き明かす推理小説的手法をうまく使っている。心温まる一篇。日常生活的な細やかな表現は女性作家の得意とするところだ。わかっているようで、じつは何もわかっていない若い女教師への皮肉...

  • 谷川俊太郎選「茨木のり子詩集」岩波文庫 2014年

     駄目なことの一切を 時代のせいにはするな わずかに光る尊厳の放棄 自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ この詩のこの部分を目にした人は多いだろう。いろんなところで引用されている。記憶に残る詩だ。同時に、ちょっと生意気な詩だな、と感じなかっただろうか。ところが詩の全体を読むと、こうだ。自分の感受性くらい ばさばさに乾いてゆく心を ひとのせいにはするな みずから水やりを怠っておいて 気難かしく...

  • 空猫時也 追加

     年代が少しずれている感じがする。リーマンショック直後に高校入学となっている。リーマンショックは2008年だから、12年前の話だ。高校入学は15歳だから、2020年現在の主人公は27歳となり、作者より5歳若い。若いのはいいのだが、20代半ばでロシア語講座に通い始めてその数年後の現在が27歳では計算が合わない。...

  • 空猫時也「光射す海域へ」(「民主文学」20年3月号)

     88年生まれ、32歳。 また一人、個性的な新人が現れた。 もっとも、語っている内容にそぐわない生硬な単語や言いまわしが多く、こなれた文章ではない。ぎこちない。素人っぽい。 でも逆に、それが個性だともとれる。 流暢な日本語を駆使した文章がすぐに忘れ去られ、ごつごつした一見不器用な文章が印象に残ったりする。 結局、書いている内容に個性を感じさせるものがあるのだ。 とはいえ、そこにもぎこちなさはあって、い...

  • ライトノベルとふたたびスージーアウトサイダーについて

     50年前、庄司薫の「赤頭巾ちゃんシリーズ」は一通り読んだ。いま思えばライトノベルのハシリだったのかなとも思える。その当時の高校生の話し言葉を使った小説だ。 つまりそれまでの日本文学にはない文体だった。でも、少しの抵抗もなく受け入れた。若かったからだろうか。 いやいや、そんなことじゃない。ライトノベルと赤頭巾ちゃんとは次元が違う。赤頭巾ちゃんは文学だし、ライトノベルは到底文学ではない。と、どうしても...

  • スージー・ヒントン「THE OUTSIDERS」集英社コバルト文庫 1983年

     原題は複数形だが、邦訳はアウトサイダー。なので、読んでみた。 1965年、15歳の女子高校生が書き始め、2年後に出版された。1983年にコッポラが映画化。同年邦訳が出た。訳者中田耕治はこのとき55歳。聞いたこともないようなスラングをやたらと使って翻訳している。14歳の不良少年のしゃべくり小説。 正直言って読みにくく、文庫本1冊に何日もかかった。日本でいうところのライトノベルである。 なぜ読みにくいか。読んで味...

  • 「民主文学」20年2月号

    「異邦人論」にかかりきりだったので、やっと読んだ。それぞれに感ずるところがあった。工藤勢津子「墓地に吹く風」 なんといっても文章がよい。以前からこの人の文章にはほれぼれする。内容的にはたいしたことは書いていないのだが、文章がよいと、この作家の、人々に対する、また人生に対するまなざしの確かさ、豊かさ、とでもいったものを感じさせられるのである。文章力というのは確かに技術なのだが、単に技術ではない。文章...

  • 「コンパクト」「鉄砲百合」そして「八月の遺書」

    「コンパクト」と「鉄砲百合」が面白かったというコメントをもらったので、読み返してみた。その感想を書く前に、能島龍三「八月の遺書」に、ひとこと触れたい。これも読んだときは引き込まれて読んだのだ。ところが一月以上経って内容を忘れていた。今回まだ読み直してはいないが、めくっていて内容を思い出した。もう一度読むつもりだが、これは重要な作品である。従軍看護婦が中国での生体解剖に加担した、させられた、という重...

  • 「民主文学」1920年1月号

     50年前に読んだ本は細かいところまで思い出せるのに、きのう読んだ本の内容を思い出せない。これはすでにれっきとした事実だから、承認するしかないのだ。 読んだ本の感想を書くのは、それゆえの備忘録だ。ところが自分の書いた感想すら忘れてしまい、挙句、感想を書いたということまでも忘れてしまう。 悔やんでいてもしょうがないので、先へ進もう。野里征彦「わが心、高原にあり」 連載第1回。<意識はとっくに戻っていた...

  • ムルソーとはなにか

    「異邦人」に対する人々の反応にショックを受けている。反発するというのならまだわかる。どうやら関心を持てないらしいのだ。「これが世界の名作? なんで?」という反応である。ここまでとは思わなかった。あまりに衝撃的で、自分自身を「異邦人」と感じてしまった。 歓迎してくれると思っていたわけではないが、落差の大きさに、うまく言葉が出てこない。どう解説してよいのかわからない。 考えてみると、この作品を受け入れ...

  • カメル・ダーウド「もうひとつの『異邦人』ムルソー再捜査」  鵜戸 聡訳 水声社 2019年 2200円(税込)

     名作である。カミュのファンにはぜひ読んでほしい。「異邦人」を、ムルソーに殺されたアラブ人の側から書きなおしたものだ。「異邦人」そのもののフレーズとイメージで埋めつくしつつ、しかも、それを裏返し、アラブ人の物語として成立させた。「異邦人」が半世紀以上にわたって避けがたく持ち続けた、たったひとつの傷を、この作品がみごとに修復した。この二冊はセットで読まれるべきだ。 今日、マーはまだ生きている。 と、...

  • 「異邦人」と「もうひとつの異邦人」

     ずっと抱えていた諸々にいちおう一区切りついたので、「異邦人」を読み直した。若い頃に何度か読んだが、最後に読んでから40年以上になる。土曜日に「まがね」で取り上げるので、久しぶりに手にした。 むかしは少しでも小説に興味を持っている人で「異邦人」を読んでいない人を見つけるのは難しかったが、いまの人はわりと読んでいない。どういう感想が出るか、まったく予期できない。 いま読んでもやはり名作だ。何百年経って...

  • 池戸豊次 「水のまち」 一粒書房 2019年 1500円

     収録作品「鹿を殺す」25ページ「春の獅子」29ページ「水のまち」39ページ「憂いの王」69ページ「寒晒し」 40ページ 合計   202ページ ページ数はそれぞれの作品の(タイトルを除いた)所要ページ数。400字詰め換算では全体で283枚とあとがきに書いてある。ページ数の4割増しくらいが400字詰め換算枚数だろう。 それぞれを完結した短編としても読める。連作作品なので、全体をひとつの中編小説として読むこともできる。 ...

  • 「民主文学」2019年 11月、12月

     11月号は全部読んだのだが、2ヶ月近く経って内容を忘れてしまった。どれも面白かったという記憶はある。だが、記憶力が著しく減退している。請御容赦。 最上裕「波濤の行方」だけは少し印象が残っている。これは前作「オルモックの石」の続編ともいうべき作品で、前作ではオルモックで戦死した伯父の行方を追って、防衛庁まで出向いて資料を探す、という執念の作品だった。今回はそれをフィクションに仕上げている。捜す過程では...

  • 井上淳評(図書新聞)

    〈老〉と〈死〉を根底・視座とする文学群――〈老〉を根底とする天野律子(「黄色い潜水艦」)・野上志乃の小説(「りりっく」)。親族のいない老人の〈死〉を描く井上淳の小説(「まがね」)。〈死〉を凝視する本多寿の詩(「サラン橋」) 井上淳の「死ぬまでの日数を数えてみた」(まがね第61号)に、老いて目前に迫る死をどう迎えるかを考えさせられた。戸田は膵臓に腫瘍がある。余命四か月。七十七歳。定職に就かず、独身。親...

  • 松本清張

     旅のひまひまに、清張を二冊読んだ。膨大な本を書いている著者を二冊だけで評するわけにはいかないが、とりあえず感じたことをメモしておく。 今回読んだ一冊は、「点と線」である。じつはこれはいちおう再読だ。いちおうというのは読んだのが中学生のときで、60年前、たぶん出版直後のことだからで、ほとんど内容の記憶がないからだ。 覚えているのは冒頭の部分、二本の線路の向こう側にあるホームを見ることができるのは一日...

  • 高原さんへの質問 言葉の定義について

     <事実を、あるものの全て、すなわち客観的世界と人の観念に、ある 存在、関係(運動)の全体とする> とても全体を読める段階にないので、部分的な指摘になって、たいへん申し訳ないのですが、指摘というよりも、質問であると捉えてください。 部分的に質問しますので、部分的にお答えください。 上記の言葉を読ませていただいて、高原さんの書くものがなぜ理解できないのかが分かったように思いました。高原さんは言葉の定義...

  • 今村夏子「むらさきのスカートの女」161回芥川賞

     そもそもぼくは日本の小説を(外国の小説も)ほとんど読んでいないし、芥川賞なんか読んだことはないので、それがどういう位置づけであるのかもよくわからない。一覧を見るとごくたまに、読んだ本や、読んだ作家が見える。70年前後はわりと読んでいる。そのあとバッタリご無沙汰して、ほとんど名前も聞いたことのない作家ばかりだが、この10年間は飛び飛びでも読んでいる。 だいたい「文芸春秋」で読む。単行本より安いし、雑誌...

  • 高原氏への若干の疑問

    批評 - コメント(13) - トラックバック(0) - 2019/09/18

    (このブログでは箇条書きがうまく反映されないことを忘れていました。ぼくのパソコン上で訂正しても、他の機器ではやはりもっと見にくくなるだけと思うので、このままいきます)(20日から30日までブログもメールも一切確認できませんので、ご了解ください) 高原さんから「未完成の哲学ノート」と題するぶあつい本が送られてきた。半年前に初版が来たのだが、それに重ねて、最近第四版が届いた。 初版と四版との相違点もわから...

  • 「検察側の証人」 続き

     クリスチーネは(原作ではロメインだが)一人二役を演じる。映画で気になったのは、これをどう処理するのかということだった。小説ではなんでもないことだ。薄暗い部屋に弁護士を招じ入れて、腰の曲がった、ぼさぼさ頭の、スカーフで顔の輪郭を隠している年寄り女、下品な言葉使い、貧しく、散らかった部屋、などを書いておいて、この女がもともと女優だったのだと示唆するだけでいい。 ところが映画ではそう簡単ではない。同じ...

  • 映画「情婦」

     BSで「情婦」を観た。タイトルのところで、アガサ・クリスティの名前が見えたので、クリスティで「情婦」とはあれかなとチラッと思った。じきに老弁護士が登場したので、これは間違いないと確信した。「検察側の証人」である。「検察側の証人」は先日テレビドラマで観たのだがさっぱり面白くなかった。あまりにも原作のイメージと違いすぎた。原作はごく短い作品なのだが、騙すほうも騙されるほうもしゃれているのだ。テレビドラ...

  • 10月号 続き

    「民主文学」10月号で、菊地 大という90歳の人が、鶴岡征雄の本の感想を書いている。このなかで、その本にも収録された2月号の「千切られた日記帳」が、著者周辺で話題になったと書いている。 記憶にあったので、読み返してみた。恋愛小説だが、好短編だ。60年代半ばのことを書いているが、時代を大仰に書くわけではない。あくまで個人的体験だ。しかしそれがみごとに時代を表現している。 この作家についてほかになにか書いて...

≪前のページ≪   1ページ/13ページ   ≫次のページ≫